住宅購入予算を決めるときには、現在の家計の状況をしっかりと見つめ、その上で将来の家計の変動要因も見極めたのちに、「これから30年以上の長期に渡って毎月返済を続けることができる金額はいくらか?」を決めることがポイントです。
毎月返済額と住宅ローン金利、および返済期間が決まれば、「住宅ローンの借入可能額」を算出することができます。
住宅購入予算=住宅ローン借入可能額+自己資金=物件価格+諸経費
という計算式が成り立ちます。
つまり、借入可能額にそのときの自己資金を加えた金額が住宅購入予算です。
多くの人は、気に入った物件を決めたのちにあわてて返済方法を考えますが、この方法は、さきに返済金額を決めて住宅購入予算の枠組みを作ったあと、設定した予算の範囲で購入できる物件を探すというやリ方です。考え方のプロセスとしては逆になります。
長期に渡って毎月返済できる金額を決めることは、遠い将来を見通さなければならないために、とても難しいことです。しかし、現在の家計の中に参考になる金額があります。それは、「現在の家賃」です。
いま賃貸住宅に住んでいる方は、毎月家賃を負担しながら、生活しているはずです。 住宅を取得してローンの返済が始まっても、返済額が家賃とほとんど同額であれば、購入前と購入後で収支に大きな変化はありません。
下の表をみると、現在の家賃と同一で、いくらまで借入れができるかがわかります。
家賃 (返済額) |
住宅ローン借入可能額(元利均等返済、35年返済) | |||
---|---|---|---|---|
(月々) | 金利1.0% | 金利2.0% | 金利3.0% | 金利4.0% |
6万円 | 2,120万円 | 1,810万円 | 1,550万円 | 1,350万円 |
7万円 | 2,470万円 | 2,110万円 | 1,810万円 | 1,580万円 |
8万円 | 2,830万円 | 2,410万円 | 2,070万円 | 1,800万円 |
9万円 | 3,180万円 | 2,710万円 | 2,330万円 | 2,030万円 |
10万円 | 3,540万円 | 3,010万円 | 2,590万円 | 2,250万円 |
11万円 | 3,890万円 | 3,320万円 | 2,850万円 | 2,480万円 |
12万円 | 4,250万円 | 3,620万円 | 3,110万円 | 2,710万円 |
13万円 | 4,600万円 | 3,920万円 | 3,370万円 | 2,930万円 |
14万円 | 4,950万円 | 4,220万円 | 3,630万円 | 3,160万円 |
15万円 | 5,310万円 | 4,520万円 | 3,890万円 | 3,380万円 |
16万円 | 5,660万円 | 4,830万円 | 4,150万円 | 3,610万円 |
17万円 | 6,000万円 | 5,130万円 | 4,410万円 | 3,830万円 |
18万円 | 6,370万円 | 5,430万円 | 4,670万円 | 4,060万円 |
19万円 | 6,730万円 | 5,730万円 | 4,930万円 | 4,290万円 |
20万円 | 7,080万円 | 6,030万円 | 5,190万円 | 4,510万円 |
※計算に際して、管理費、修繕積立金等の負担は考慮していません。
※実際のお借り入れには、一定の条件を満たす必要があります。
上の表をみてわかる通り、金利が同じときに返済額が1万円増えるだけで、住宅ローン借入可能額が数百万円も増額されます。
つまり、毎月の返済額をいくらに決めるかで、購入できる住宅の予算は大きく異なるのです。
毎月返済額の決定は、長期的な家計の目標設定です。「夫婦でお互いに頑張って、マイホームを自分たちの財産にするため一緒に決めた返済額を支払っていこう」という共通認識ができれば、夫婦ともにその後のお金の使い方に優先順位が生まれ、ムダ使いがなくなります。
なお、上の表は、ボーナス返済を考慮していません。
ボーナス返済を行う場合には、「ボーナス返済を行う場合の年間返済額÷12ヶ月」で求められる金額を毎月返済額と考えて上の表を見て下さい。