理想のリビングをかなえられる?レイアウトの考え方
今回は、マンションライフでのリビングのレイアウトについて、さまざまな役立つ情報をお届けしたいと思います。次の5つのポイントからレイアウトを考えてみましょう。
リビングレイアウトの進め方
リビングのレイアウトで大切なことは、あらかじめしっかりとした計画を立てておくことです。いくらお気に入りの家具が見つかってもすぐに飛びついてしまうのは避けましょう。動線やサイズを考えて選ばないと使いにくいリビングになってしまう恐れがあります。では、リビングのレイアウトを上手にプランニングする方法について順を追って説明していきます。
しっかり「測る」ことから始めましょう
家具をしっかり測る
測るのはW(幅)×D(奥行き)×H(高さ)ですが、必ず最大部分を測るようにしましょう。ソファの背の部分などは後ろに反っていることが多いので注意が必要です。テレビボードなどは、AV機器などが中にキチンと収まるかどうかを確認するために、内寸も測るようにしましょう。
部屋をしっかり測る
計測する時は間取り図、置きたい家具の寸法をまとめたもの、メジャー、筆記具を用意して、次のやり方で測ってみてください。
- 間取り図を見て、リビングでどの場所の寸法が必要か確認します。
- 1で確認した必要な箇所の寸法を実際に測ります。
- 柱などの出っ張りがある場合は凹凸の部分も測りましょう。
- 高さのあるリビングボードなどを置く場合は天井高も測ります。天井は梁があって一部が低くなっている場合もあるので注意が必要です。
- カーテンやブラインド選びのため、窓は床から窓枠の下、枠を含んだ窓全体の大きさを測ります。
- 照明のスイッチ、コンセント、ドアの開閉部も同時に確認しましょう。これらは家具を置くと塞がれてしまう可能性もあるのでチェックが必要です。
- 同様にテレビや通信回線のプラグの位置も確認しましょう。
- お気に入りの家具を置きたい場所に置けるのかを確認しましょう。
- 最後にドア、玄関、エレベーター、廊下などもできる限り採寸し、家具の搬入ができるかどうか確かめるようにしましょう。
次のポイントを考えながらプランニングしましょう
照明の取り付け器具の位置を把握しましょう
レイアウトの計画を立てる際に見落としがちなのが、照明の取り付け器具の位置。特にダイニングと一体化したリビングダイニングの場合や、リビングで食事もしたいという場合は注意が必要です。
なぜかというと、食事をする際にテーブルが暗くならないよう、ライトはダイニングテーブルの真上に設置するのが一般的だからです。照明の取り付け器具の位置は変えるのが難しいため、自然とダイニングテーブルの位置は決まってきます。最初にソファの位置や大きさを決めたのに、ダイニングテーブルの位置と折り合わないということが起こり得るため、まずは「変更しづらいもの」の位置を確認しましょう。
動線を意識したレイアウトにしましょう
動線というのは、あなたや家族がリビングでソファに座る時、立ち上がって何かを取る時などにどのように動くか、その道すじのことです。家具を実際に置いてみた時に、そのレイアウトでスムーズに動けるかどうかはとても大きなポイントになります。
例えばソファの前では家族がすれ違ったりすることも多いと思います。テーブルなどを前に置く場合は、窮屈でないようにある程度余裕を持つようにしましょう。スペースが狭い場合は、家具を置かない、という決断も必要です。
「視線の抜け」を作るようにしましょう
リビングはくつろぎの空間です。ソファに座ってテレビやDVDを楽しんでいてもなんだか落ち着かないと感じたら「視線の抜け」がないからかもしれません。テレビボードの背が高かったり、テレビの後ろに間仕切りがあったりすると奥行きがなく狭く感じてしまうのです。
「視線の抜け」を作るには視線の向こうにスペースがあること。できれば、奥に窓があったり、その外に緑があったりするといいですね。基本的にリビングに置く家具は低めのものを選ぶことをおすすめします。
オープンスペースを大切にしましょう
家具が部屋の広さの3分の1以上を占めると、非常に狭苦しい印象を与えてしまいます。なるべくオープンな空間を作って全体的に余裕のあるレイアウトにしましょう。
リビングレイアウトを考えるポイント
かつてはテレビとソファの位置を中心にレイアウトを考えるのが基本でしたが、最近ではテレビを置かない、テレビがあっても位置の移動が可能といった家庭も増え、リビングの役割も多様化しています。
例えば、グリーンがたくさんある癒しのリビングを作リたいのなら、日当たりのいい場所にグリーンを置くレイアウトになりますし、ソファにセンターテーブルを置くよりも、フレキシブルな使い方をしたいと考えるのなら、サイドテーブルを置いたり、オットマンをテーブル代わりに使ったりという方法もあります。自分や家族の暮らしに必要なものを改めて考えると、意外と「これはいらないかも?」と気付くことがあるかもしれません。
シチュエーション別リビングレイアウト
リビングのおすすめのレイアウトはその目的やライフステージによっても変わってきます。「くつろげる」リビングを基本として、食事・仕事・勉強・趣味などのシチュエーション別にレイアウトのポイントをまとめてみました。ご家族の現状を考えて、最適なプランを考えるようにしましょう。
目的別レイアウト
食事をする場合は
食べるスペースも兼ねる場合は、家具選びが大切です。ダイニングとしても使えるやや高めのテーブルとソファをリビングの中心に置いて対応しましょう。
仕事・勉強もやりたい場合は
コンパクトなデスクを利用してパソコンスペースを作りましょう。デスクは壁際や窓際にすっきりとレイアウトします。
趣味の場所を作りたい場合は
リビングに趣味の場所を作るならば家具などを間仕切りにして、落ち着ける空間をつくりたいですね。何をするかによってイスやソファ、テーブルなどピッタリなものを選びましょう。
ライフステージ別レイアウト
子どもが小さな頃は
リビングの一角にキッズスペースを設けることが多くなります。その場合はあまりごちゃごちゃしないようにレイアウトするのがポイントです。
おもちゃなどを収める木製の収納ボックスを使うと全体的にスッキリとした印象になります。「ここが子どものスペース」とわかりやすくするためにラグマットなどを敷くと効果的です。
子どもが親離れをしたら
夫婦2人での時間が増え、リビングで過ごすことが多くなってきます。といっても、2人がいつも同じ場所にいるのではなく、ある程度距離もおけるようなレイアウトが理想です。ソファを数個用意して別々の場所に置いてみたり、趣味のスペースにこだわってみたりするのもよいでしょう。
キッチンタイプ別レイアウト
対面カウンターキッチンの場合
キッチンとリビング・ダイニングとのつながりがいいカウンターキッチン。キッチンカウンターにT字にダイニングテーブルを置いて、リビング側のソファとテーブルも並列に配置するとLDK全体に一体感が生まれます。
アイランドキッチンの場合
カウンターが島のように独立したアイランドキッチンは開放感があり、お洒落な印象になります。イスを置くことで、ダイニングテーブルやバーカウンターにように使うこともできます。
リビングの形別レイアウト
正方形の場合
家具の配置が難しいのが正方形リビングです。壁際にテレビを置くとソファとの距離が空いてしまい、ソファをテレビに近づけると無駄なスペースができてしまいます。壁際にL字型ソファや収納を置くことで無駄なスペースを少なくすることができます。背もたれがなく、どの方向からでも使えるソファを選ぶのもおすすめです。
長方形の場合
視覚的に広く感じる長方形のリビング。家具の配置もしやすいのですが、ダイニングはダイニング、リビングはリビングとそれぞれのスペースをギュッとまとめるようにしましょう。家具がいろいろな場所にあるとダラっとした印象を受けるので注意が必要です。
L型の場合
L字の縦の部分にキッチンとダイニング、横の部分にリビングを配置するのが一般的なようです。落ち着いた雰囲気のリビングにしたいならソファをダイニング・キッチンとの間仕切りに使い、オープンなリビングにしたいならソファを奥側に置いてみましょう。またL字の横の部分のスペースが小さい場合には、書斎や趣味のスペースとして使うのもおすすめです。
狭いリビングの場合
リビングのスペースが狭い場合は、家具をたくさん置きすぎないことが大切です。ダイニングテーブルをカウンタータイプにしたり、ソファとダイニングテーブルを兼ねたリビングダイニングセットを使ったり省スペースのアイデアを活用しましょう。また、ローソファなど低めの家具を選ぶと、天井高があるように感じるため、スペースを広く見せることもできます。
さて、次は実際にレイアウトをプランニングする時、どのように進めるか。具体的なノウハウをご紹介します。
床の部分が多く見えると部屋を広く感じるそうです。そのためには家具を壁際にまとめてレイアウトするなどの工夫も必要です。
行動別の必要スペースを知っておきましょう
家具はただ置くことができればいい、というものではありません。リビングではあなたや家族が歩いたり、立ったり、座ったりします。その時にどれぐらいのスペースが必要なのかをぜひ知っておきましょう。
人が通るのに必要なスペース
人が横向きで通るときに必要なのは45cm、正面を向いて通るときは60cm、2人がすれ違う場合は90~120cmの幅が必要だといわれています。まずはこのサイズを頭に入れてレイアウトを考えましょう。
食事をとるのに必要なスペース
ダイニングでの食事でイスに腰かけている時は、テーブルの脚から最低でも40cm、腰かけるためにイスを引いた時はテーブルの脚から75cm分のスペースが必要になります。腰かけている人の後ろを通る場合はテーブルから100cmは必要です。
ソファでくつろぐのに必要なスペース
ソファとリビングテーブルとの距離は45~50cmは必要です。ソファが低いタイプなら脚を伸ばして座ることも多いので50cm以上は欲しいところです。
液晶テレビと目までの距離は、画面の高さの約3倍あれば疲れずに見られるといわれています。また、テレビボードとリビングテーブルとの間は、引き出しや扉の開け閉めなどを考えて50cm以上は開けるようにしましょう。
リビングの家具選びのチェックポイント
リビングで使う主な家具といえば、ソファ、リビングテーブル、テレビボードなどです。実際に、これらの家具を選ぶ時に気を付けるとよいことは何でしょうか。主なポイントをまとめてみました。
自分の理想のスタイルを決めておく
お気に入りのカフェやデザインホテルなどを参考に、自分がこうしたいと思うスタイルの方向性を決めておきましょう。ナチュラルな雰囲気が好きなら木材は白木を、シックで重厚なスタイルが好きなら濃い色を選ぶなど、色・素材選びのルールを考えやすくなります。
使う色は基本色+2〜3色に抑える
ソファなどの大きな家具は、簡単に変えることが難しいため、シンプルな色にするのがおすすめです。床や壁の色、ソファなどの色を基本色として、それ以外の色は多くても3色ほどに抑えると、まとまりやすくなります。
大物家具を買う場合、間取りと搬入経路は必ず確認を!
海外製のソファなどを購入する場合、廊下やエレベーターなどの搬入経路を事前に確認しておかないと、搬入ができずに返品しなければならないといったことがしばしば起こります。搬入に使用できるエレベーターがあるか、玄関ドアのサイズは十分かなどを確認しておきましょう。また購入店に間取り図や、計測したサイズを書き込んだ見取り図を持っていけば搬入可能かどうかを確認してもらえるので、忘れないようにしましょう。
- リビングの広さに対して家具が大きすぎませんか?サイズ感を大切にしましょう。
- 壁や他の家具との色合いはどうですか?カラーコーディネートも大切にしましょう。
- 座り心地や高さ、質感などは必ずお店でチェックするようにしましょう。
- 通路のスペースもしっかり確保できるか確認した上で家具を選びましょう。
- AV機器やゲーム、ソフト類などの収納場所も忘れずに確保しましょう。
- 家具が無理なく搬入できるか、エレベーターや玄関、廊下などをチェックしておきましょう。
モデルルームのリビングレイアウト例
ダイニングテーブルとリビングのソファを平行に配置したレイアウト。全体的に一体感が生まれ、広々とした空間でリラックスして優雅な時間を過ごせそうですね。
オープンスペースを広くとった開放的なリビングレイアウト。奥行きのあるリビングがテラスまで視線を誘導し、長方形のお部屋を活かした解放感のある好例ともいえますね。
壁際にL字型ソファを置くことで、正方形型リビングのスペースを有効活用したレイアウト。視線を遮るものがないので、どこにいても家族団らんの時間を楽しめそうです。
窓と反対側に置かれたテレビの前に広いスペースを確保したレイアウト。大きな窓からは光が差し込み、家族が自然と集まってくるような空間ですね。
窓と直角にテレビをレイアウトし、テレビの対面にはソファを配置。昼間は窓からの暖かい光を感じながら、リラックスしてテレビを鑑賞できそうですね。
壁掛けテレビの前にL型にレイアウトされたソファ。ソファに座り、ゆっくりとお酒を飲みながらスポーツ観戦などを楽しめそうですね。
窓と反対側に置かれたテレビの前に広いスペースを確保したレイアウト。大きな窓からは光が差し込み、家族が自然と集まってくるような空間ですね。
洋室の左奥のデスクは間仕切りをせずワークスペースとして利用しています。リビング・ダイニングで家族の存在を感じながら、安心して勉強や仕事ができそうですね。
開放的な対面キッチンの前にはダイニングセット。週末はお客さまを迎え、ホームパーティーで楽しく過ごせそうです。
大きな窓に向けてソファをレイアウトしたリビング・ダイニング。ゆったりとソファに腰掛けて、外の景色や読書を楽しめそうです。
写真のレイアウト例でもご覧の通り、どのような家具をどのようにレイアウトするかによって、リビングのイメージは大きく変わってきます。もちろん、どれだけリラックスできるかもレイアウト次第。ぜひこの記事を参考にベストのレイアウトを探してみてください。