マンションの購入を決める前には、立地や周囲の環境を確認し、いろいろなモデルルームを見学しながら、家族が将来にわたって暮らしたい、好みに合った住空間や設備を探っていきます。
そして、いっぽうでは、現在と将来の家計の状況を踏まえ、子どもの教育費や夫婦の老後の生活資金に支障をきたさずに住宅ローンの返済が行える予算を考えます。

ここでは、将来に渡って無理なく返済していける「マンションの価格」はいくらなのか、個々の家庭でどのように考えたらいいのかを解説します。

返済負担率から考える住宅の購入予算

「買えるマンション」の判断基準のひとつは、現在の収入です。
ここでいう年収は、手取り額ではなく、税金や社会保険料を差し引く前の額面金額です。すぐに正確な金額がわからない場合は、毎年1月に会社から受け取る「源泉徴収票」をみると前年1年間の収入がわかります。

住宅ローンを組む場合、無理なく返済していける1年間の金額の割合(返済負担率)は、「年収の25%くらいまで。理想は20%以内」といわれています。
たとえば、年収が750万円だとすると、その25%は187万5,000円。1年間の返済額がこの金額なので、毎月の返済額を計算すると約15万6,000円になります。
20%のときの年間返済額は150万円なので、毎月返済額は12万5,000円です。毎月の返済額がこの金額を超えない範囲で借入額を設定したほうがよいとされています。

いっぽう、住宅ローンを取り扱う金融機関は、融資額に収入基準を設けています。金融機関によって基準は異なりますが、次のような返済負担率を融資額の上限に定めています。

年収 400万円未満 400万円以上
返済負担率 30% 35%

(「フラット35」の場合)

つまり、例えば夫の収入が750万円だとすると、年間返済額がその35%にあたる262万5,000円に収まる範囲で融資してくれるわけです。これを毎月返済額にすると約21万9,000円になります。金融機関は、毎月返済額がこれを超えるような融資はしてくれません。

なお、返済負担率は、住宅ローンだけでなく、自動車ローンや教育ローンなど、その他のローンも含めて計算されます。たとえば、年収に対する返済負担率から、毎月返済額が20万円までの借り入れができるとしても、すでに毎月5万円の自動車ローンの返済がある場合には、住宅ローンで借りられる金額は、毎月返済額15万円までの範囲になってしまいます。

したがって、住宅ローンで制約を受けないためには、できるだけ事前にその他のローンを整理しておいたほうがよいことになります。

また、ここで注意すべきことは、将来子どもが生まれたり、子どもの成長に伴ってかかる教育費などにも配慮して、これだけの金額を30年間、35年間と返済していけるのかということです。金融機関の基準を満たしているからといって上限ギリギリまで融資を受けると、のちの生活を圧迫しないとも限りません。

特に、マンションの場合は、ローン返済のほかに、修繕積立金や管理費などを支払う必要があります。修繕積立金や管理費は、マンションの専有面積や共用施設などによって異なりますが、一般的には2万円前後です。

たとえば、年収750万円の20%を年間返済額とする場合、毎月返済額は12万5000円。これに管理費等2万円を加えると、毎月の負担は合計14万5,000円になります。

自分の現在の家計をもとに、次項「今の家賃でいくら借りられる?」の早見表を参照して、「住宅ローンの借入可能額」を算出してみてください。
算出した借入可能額に、頭金(自己資金)を加えた金額が、現実的な「買えるマンションの値段」です。そして、「買えるマンションの値段」に、諸経費(自己資金)を加えた金額が、マンションの購入予算になります。

現在の年収から計算する「買えるマンションの値段」

税込み年収 × 20%~25%
住宅ローンの年間返済額の上限

年間返済額 ÷ 12 = 毎月返済額の上限

マンション購入予算(物件価格+諸経費)
= 住宅ローン借入可能額
+ 自己資金(頭金+諸経費)

※管理費・修繕積立金などは除く