分譲マンションで、上階の床下配管から水漏れが発生した場合、誰の責任になるのでしょうか?
上階のお部屋の所有者?それとも、管理組合全体の責任?
ポイントは、
- どの場所からの水漏れか?
- 水漏れした場所は、専有部分か共用部分か?
- 管理規約はどうなっているか?
- 保険等の特約はどうなっているか?
原則論では、水漏れ発生個所が専有部分という場合は、そのお部屋の所有者が責任を持つことになり、共用部分という場合は、管理組合(区分所有者全員)の責任ということになります。
そこで、問題なのは床下の目に見えない部分の配管が原因での水漏れは「専有部分」「共用部分」のどちらになるか?という点です。
「標準管理規約」という管理規約の雛型では、解釈上は床下の配管は「専有部分」ということになります。
ただし、2000年の判例では、上下階の間のスラブに埋まった配管からの水漏れ事故について、「下階天井裏の配管は上階の専有部分ではない」という判決もでています。
※二重床構造の場合は、床下が空洞で配管がスラブにほとんど埋まっていないので、こちらの判例だけでは床下がすべて共用部分であるとは判断はできません。
前述のように、「標準管理規約」は、分譲マンション毎に設置されている規約の雛型になっているもので、実際は、各マンション毎に独自の管理規約が存在します。
(規約の変更は、全区分所有者の人数と議決権の3/4以上の賛成が必要)
そこで、マンションの管理規約にて、スラブ下、下階天井裏に配管された雑排水枝管等は共用部分であるとあらかじめ明文化されていれば一番安心ということになります。
また、分譲マンション管理組合向けの専用保険に「マンション管理組合総合保険」というのがあります。
こちらの保険特約で「個人賠償責任保険」を付けていれば、専有部分での水漏れ(床下、洗濯機のホース外れ、キッチン、洗面所等)も保険でカバーされます。
以上ですが、上階から水漏れがあった場合、誰が責任を取るか?については、水漏れした場所、構造、管理規約等により異なります。その物件の「管理規約」、「保険契約の内容」などをきちんと確認しておかないと、最悪の場合はご自分で賠償するケースもでてきます。
※株式会社大京アステージが管理を受託する発売中のライオンズマンションの場合は、「マンション管理組合総合保険」に「個人賠償責任保険」を付けています。ただし、保険契約は、管理組合の決定で変更ができますので、中古で購入される場合はその都度ご確認ください。