駐車場使用料が例えば、0円や数百円という場合、徴収する駐車料金だけでは維持管理が十分できなくなる可能性があります。特に、駐車場が地下に設置される場合や機械式の場合、かなりの維持管理コストがかかるのが一般的です。こうした費用が不足すれば、その分の費用を管理費や修繕積立金から捻出せざるをえなくなります。

例えば、駐車場の維持管理を通常の管理費からまかなっているとすれば、当然ながら、普段徴収される管理費を上げる必要がでてきます。

駐車場の維持管理には、2つの考え方があります。

  1. 駐車場使用料が0円または極端に安いケース
    駐車場は、購入者(区分所有者)全員の共有物ということで、維持管理も全員の負担で行うという考え方。

  2. 駐車場使用料が周辺相場並のケース
    駐車場の維持管理費は、実際に駐車場を使用している人達で負担するという考え方。

維持管理費等に使う駐車場使用料がもし余った場合は、余剰金は「修繕積立金」として積立てるということになっています。
つまり、駐車場使用料が高いからと言って、特定の誰かが利益を得るものでもなく、マンションの修繕積立金として管理組合の口座に積立てられ、後々は建物の修繕などに使われます。
逆に、駐車場使用料が安いといっても、結局不足分がある場合は、管理組合の中で負担していくということになるのです。

販売をする会社側からみると、駐車場使用料を低く設定することは、大きなセールスポイントとなります。
広告チラシなどでは、駐車場使用料0円などと大々的に謳っているケースも見られますが、これまで説明しましたように、駐車場0円ということが必ずしもお得ということではありません。
もちろん、長期修繕計画を踏まえた上で、駐車場使用料を安く設定している物件があることも事実です。
ですから、立地・駐車場形態・長期修繕計画の3つを鑑みて、駐車場使用料が適正かどうかを分析した上で、目先の安さや宣伝広告に惑わされず冷静に判断することが必要と言えるでしょう。