わたしたちの日常生活で安定的にエネルギーを供給するためには、家庭内における消費エネルギーの削減が必要不可欠といわれています。このような状況の中、住宅でのエネルギー消費を極力抑える住まい「ZEH(ゼッチ)マンション」への注目が集まっています。

少し聞きなれない言葉かもしれませんが、ZEHマンションとは、省エネにつながるだけでなく、室内が快適な温度に保たれ暮らしやすいなど、わたしたちの生活にさまざまなメリットがある共同住宅です。

ここではZEHマンションが生まれた背景やメリットなど、その特長についてご紹介します。

ZEHマンションとは

ZEH(ゼッチ)とは「ゼロ・エネルギー・ハウス(Net Zero Energy House)」の略で、エネルギー消費量の収支をゼロとすることを目指した住宅のことです。そして、そのZEHの共同住宅を「ZEHマンション」といいます。

ZEHマンションの概念図

画像:ライオンズ東町公園 ザ・ロイヤル ZEH(分譲済み)

もちろん、わたしたちが生活するうえで、使用するエネルギーをゼロにすることはできません。そのためZEHマンションでは「エネルギーの消費を抑えること」と「エネルギーを上手に使うこと」に加え、家庭でも太陽光発電などによって「エネルギーを創り出すこと」で、年間のエネルギー消費を実質ゼロに近づけることを目指しています。

省エネだけではないZEHマンションのメリット

ZEHマンションの本来の目的は省エネルギーであり、それが最も大きなメリットですが、他にもいくつかあげられます。

23時にリビングのエアコンを停止し、7時間後の室温分布図

画像:ライオンズ横濱仲町台ヴィアーレ ZEH(分譲済み)

※3:試算条件 【一般的な住宅】と【ZEH住宅】について、株式会社LIXILの協力を得て、温熱環境解析ソフトにより室内温度シミュレーションで比較したもの。<シミュレーション条件>○建設地:神奈川県○外気温度:(一社)日本建築学会拡張アメダス気象データに基づき、 2月初旬の外気温を設定。表示の図は午前6時時点の状況を示したもの。○専有面積:70.56⇒m2 [3LDK]○部屋の方位:南向き○家族構成:3人(夫/会社員、妻/専業主婦、子/中学生)○在宅時間:夫/20時~8時、妻/13時~15時のみ不在、子/19時~8時○エアコン稼働条件:(一社)日本建築学会の「住宅用標準問題」によるスケジュールに則り、在室時のエアコン稼働。各居室にエアコン1台設置。○住宅の使用エネルギー:電気・ガス併用住宅〇日射考慮無し〇人体・家電製品の発熱は考慮しない【一般的な住宅】・住宅性能表示における「5-1. 断熱等性能等級」の等級3(平成4年基準相当)の評価方法に則り、壁の断熱材の熱抵抗値0.7⇒m2 ・K / W 、開口部(金属製建具/ガラス 単板 )の熱貫流率6.51W/⇒m2 ・K(Ⅳ地域)と設定。【ZEH住宅】・平成28年省エネルギー基準に準拠し外皮性能を評価:外皮平均熱貫流率0.45 W/⇒m2 ・K、開口部(金属製建具/ガラス Low-E複層A14以上ガス入り)の熱貫流率2.65W/m2 ・K※数値はあくまでシミュレーションであり、実際の性能や数字を保証するものではありません。

たとえば、ZEHマンションには高性能の断熱材が使用されています。そのため、室内では夏は涼しく、冬は暖かく快適に暮らすことができます。夏の夜にエアコンを切ったあと、暑くて寝付けなかったり、冬の朝に廊下や洗面所が寒くてブルっと震えてしまったりということが解消されるのです。

また、高断熱な部屋に高効率な冷暖房設備が設置されているため、電力やガスの消費が抑えられ、光熱費の節約も可能です。ZEHマンションに暮らすことは、エネルギー消費を削減することができるので、CO2排出量の削減にもつながります。地球にもお財布にも優しいマンションといえますね。

ZEHマンションの4つの評価基準

ZEHマンションには、建物の階数によって異なる政府が定めた4つの評価基準があります。それぞれについて以下の表でまとめています。

名称 マンションの階数 省エネ効果のみで満たすべき基準 省エネ効果+創エネ効果で満たすべき基準
ZEH-M 3階建てまでのマンション 省エネ基準から20%以上減 省エネ基準から100%以上減
Nearly ZEH-M 省エネ基準から75%以上減
ZEH-M Ready 4~5階建てのマンション 省エネ基準から50%以上減
ZEH-M Oriented 6階建て以上のマンション 創エネを加味しない

*省エネ効果:高性能な断熱材や効率のよい冷暖房などの設置によるエネルギー消費量を削減する効果
*創エネ効果:太陽光発電などにより再生可能エネルギーを作りだす効果
*省エネ基準:「建築物省エネ法」で定められたエネルギー消費性能基準
*参考:2021年3省連携事業「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス推進に向けた取り組み」

このように、ZEHマンションには「ZEH-M」「Nearly ZEH-M」「ZEH-M Ready」「ZEH-M Oriented」の4つの評価基準がありますが、ここではそれらをまとめて「ZEHマンション」と呼んでいます。

大京のZEHマンションの取り組み

ライオンズ芦屋グランフォートの写真

画像:ライオンズ芦屋グランフォート(分譲済み)

一戸建て住宅と比較してマンションでは、1戸あたりの屋根の面積が少なくなるので、設置できる太陽光パネルの数も制約されてしまいます。そのため、マンションでの再生可能エネルギー創出は期待しづらく、ZEHマンションの基準の達成は難しいと考えられていました。

このような理由からZEHマンションの普及に向けた取り組みが進まず、マンション業界の課題のひとつでした。しかし、大京では試行錯誤を繰り返し、省エネと創エネ効果をより高めることで、マンションでは困難だと思われていた「Nearly ZEH」の基準を達成したマンションを実現しました。

2017年に国内で初めて、中層5階建てマンションにおいて約80%のエネルギー削減を達成。さらに2019年には、高断熱化と太陽光発電により、全体で80%を超えるエネルギー消費削減も実現しました。

また、経済産業省の「平成30年度 高層 ZEH-M(ゼッチ・マンション)実証事業」では、採択された全10物件のうち7物件を大京各社のマンションが占めるなど、わたしたちは、ZEHマンション推進に向けて積極的な取り組みを行っています。

導入物件については下記ページをご覧ください。

暮らしやすく、省エネにもつながり、地球環境にも優しい。マンションの購入を考えている方は、ZEHマンションを検討してみてはいかがでしょうか? ZEHマンションに少しでも興味があれば、モデルルームの見学に行ってみてくださいね。お待ちしております。