マンションの床はフローリングが主流ですね。スリッパなしでも気持ちよく歩け、木の質感も感じるのでマンションライフにはピッタリです。

さて、そんなフローリングですが、カーペットや畳に比べて掃除もしやすく清潔さを保ちやすいといわれています。しかし、裸足で歩いたり、窓を開けて過ごしたりすることもあるので、思ったよりも汚れていることもあるようですが、日頃のお掃除でフローリングの掃除は、普通に掃除機をかけるだけのご家庭も多いのではないでしょうか。

最初に掃除機を使うとこまかなホコリなどが舞い上がってしまうので、フローリングの掃除は、どの順番で進めるかがとても大切です。今回は、フローリング掃除のコツを次の4つの面からご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。

  • そもそもフローリングってなに?
  • フローリング掃除の手順とノウハウ
  • よくある汚れの対処法
  • フローリング掃除での注意点

まず最初は「フローリング」について
その種類と特長をご説明します。

フローリングってなに?

フローリングは合板がほとんど

フローリングは「木の床」と思っている方もいらっしゃいますが、基本的にフローリング床は「合板」でできています。合板は何枚かの板を接着剤で張り合わせ、その表面に薄く加工した天然木や化粧板を貼り合わせたものです。

合板のフローリングは温度や湿度の変化に強く、ねじれや反りも起こりにくいのが大きな特長です。品質が安定しているので、床材として多く使われています。

傷がつきやすい無垢材のフローリング

木をそのまま製材して使った無垢材(むくざい)のフローリングもあります。

無垢材は本物の木の質感を楽しめるうれしさがありますが、傷つきやすく、温度や湿度の影響を受けやすいので、合板フローリング以上に手入れには注意が必要です。また、マンションのリフォームで無垢材のフローリングなど床材を変更する場合は、管理組合の許可が必要になる場合があるので気を付けてくださいね。

フローリングのことが分かったら、次は掃除の手順について。
これ、とても大切ですよ。

フローリング掃除の手順とノウハウ

フローリング掃除の大きなポイントは正しい手順で進めていくことです。順番を間違えるとこまかいホコリなどが残ってしまうことがあるので、しっかり守ってくださいね。

1.掃除用ワイパーで全体のホコリを取る

目立ったホコリやゴミがあるとすぐに掃除機をかけたくなりますが、掃除機の排気でこまかいホコリを舞い上げてしまうことになるのでおすすめできません。最初にホコリなどをからめ取るドライシートをつけた掃除用ワイパーでホコリや髪の毛などを取っておきましょう。

ワイパーはヘッド部分を左右にこまめに動かしながら、自分から遠いところから近くへとホコリを寄せる感覚で使うとムダなくお掃除ができます。

2.こまかなゴミを掃除機で吸い取る

掃除機はワイパーでの掃除で残ったこまかなゴミを取る気持ちで、溝の目地にそってゆっくり丁寧にかけましょう。床用ノズルの先端は床にしっかりとつけて、1回で動かすのは身長の半分ぐらいにするとゴミが取れやすくなります。

また、壁際やサッシとの境目はこまかなゴミがたまりやすいので細口のノズルを使って念入りに掃除をしましょう。

3.落ちにくい汚れは雑巾で水拭きする

ウェットシートをつけた掃除用ワイパーによる水拭きよりも、雑巾による水拭きのほうがフローリングを拭くときに力をかけやすいので、汚れが落ちやすくなります。ただ、フローリングの素材は水分に弱いので、やり方を間違えると床の劣化や変色の原因になってしまうので注意してください。

水拭きの基本は、水が床に浸透したり残ったりしないように短時間で仕上げることです。水分を多く吸い取らない薄めの雑巾を水にひたし、固く絞ってサッサッサッと拭きましょう。窓を開けて忘れずに換気もします。最後はしっかりと乾拭きで仕上げてください。

水拭きを頻繁にやりすぎると床を傷めたり、水の跡が残ってしまったりする原因になるので、月1度ぐらいで十分です。汚れによってはピンポイントで洗剤を使う必要も出てきますが、これについては後ほど説明します。

4.ワックスをかけてより美しく

フローリングの美しさを長く保つためには、半年に一度くらいの定期的なワックスがけが必要です。ただ、ゴミやホコリがあるときれいに仕上がらないので、今までの1~3の手順を終わらせた後で作業を始めてください。ワックスはフローリング専用のものを使用して、使用説明書に沿って使いましょう。ワックスシートといってドライシートなどと同じように手持ちの掃除用ワイパーにつけ、軽くすべらすようにして塗り広げられる便利なものもあります。

ワックスは気温が高いとすぐに乾き、低いとなかなか乾かないので、作業は極端に暑い日や寒い日は避けましょう。直射日光で仕上がりにムラができないように作業中はカーテンを閉め、乾くまでは窓も閉めておきます。ワックスが乾いた後は、時間をかけてしっかりと換気をしてください。

5.日常的には掃除用ワイパーで清潔に

もし、フローリングの汚れが目立つようなら、1~4までひと通りお掃除をしてみることをおすすめします。

ワックスもかけてきれいになったら、その後は、日常的にワイパーを使って掃除をしましょう。普段はドライタイプのシートで、汚れが気になったらウェットタイプを使います。毎日こまめにお掃除をしておけば水拭きなどの頻度も少なくてすみますよ。ロボット掃除機を使ってみるのも時短につながるのでおすすめです。

気になるあの汚れ、この汚れ、
種類別の落とし方もご紹介します。

よくある汚れの対処法

日ごろの掃除だけでもきれいになりますが、それだけでは落ちない汚れは洗剤などを使って掃除をする必要があります。汚れの種類別にそれぞれの落とし方をご紹介します。

こまかなホコリは朝一番に

こまかなホコリはとても軽いので、お部屋の中で舞い上がるとなかなか床まで落ちてきません。家族が寝ている夜中に落ちてきたホコリを朝一番に掃除用ワイパーで拭き取るようにすると効果的です。

髪の毛・ペットの毛は掃除用ワイパーでからめとる

フローリングに落ちている髪の毛やペットの毛、とても気になりますね。毛が舞い上がらないように掃除用ワイパーで一気にからめとってください。毛が抜けやすいペットがいるお宅には、コロコロ転がしてゴミを取る粘着ローラーもいいのですが、フローリング専用のものが必要以上にくっつかないのでおすすめです。

足裏の皮脂汚れは台所用洗剤で

皮脂汚れは足裏などから出る油汚れのことです。フローリングの黒ずみや、ベタベタするのはこの皮脂が原因です。皮脂汚れは、ぬるま湯に台所用の中性洗剤を数滴垂らしたものに雑巾をひたして固く絞り、気になる部分を拭くだけできれいになります。汚れが取れたら水拭きをして、最後に乾拭きで仕上げてください。

食べ物のカスのこびりつきも中性洗剤で

ご飯や食べ物のカスなどが落ちたものを放っておくとベタついて取れなくなってしまうので要注意です。気がついたらすぐに拾うようにしましょう。床にこびりついた場合は掃除用ワイパーなどでは拭き取れないので、これも皮脂汚れと同じく台所用の中性洗剤と雑巾を使って拭き取ります。

最後は、お掃除をするうえでの
注意ポイントです。

フローリング掃除での注意点

キッチンの床などの汚れや先にご紹介した皮脂汚れは「油汚れ」です。油汚れというとエコ洗剤として人気の重曹やセスキ炭酸ソーダなどアルカリ性の洗剤を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。

体にも害がないのでフローリングにも使いたくなりますが、アルカリ性の洗剤は床に塗られたワックスやツヤ出し剤など床材表面の皮膜をはがしてしまう可能性があるので使わないようにしましょう。フローリングの汚れには中性の台所用洗剤を使って掃除しましょう。

じつは、フローリングは思っている以上にデリケートです。汚れや黒ずみがどうしても取れなかったり、ワックスをかけたりするのが大変だと感じた時は、ハウスクリーニングやフロアコーティングのプロに依頼するという手もあります。

フローリング掃除のアイテムリスト

  • 掃除用ワイパー(ドライシート、ウェットシート)
  • 掃除機(細口ノズルも用意)
  • 薄めの雑巾を数枚
  • 台所用の中性洗剤
  • フローリング専用ワックス
    (場合によっては掃除用ワイパー+ワックスシート)
  • その他
    粘着ローラー、お掃除ロボットなど

フローリングを上手に掃除して、お部屋を清潔に保ちましょう。床に直接座って遊ぶことが多い小さなお子様のいるご家庭では特にこだわりたいですね。ぜひ、今回ご紹介したフローリング掃除のコツを参考にして、いつまでもフローリングがきれいなマンションライフをお楽しみください。最後に、床のお掃除は近隣の迷惑にならないような時間帯と方法を選んでくださいね。

 

あわせて読みたい!