マンションのベランダやバルコニー、お掃除はどうされていますか?

「気になっているけど、つい後回しにしてしまいなかなかできない」ということはないでしょうか?ベランダやバルコニーは常に外にあり、雨や風にさらされて汚れやすい場所です。定期的にお掃除をすることで美しさを保っておきたいですね。

また、ベランダはもしものときの避難経路として使われるため、「専有部分」ではなくマンション全体の「共用部分」です。そのため、お掃除するときにもいろいろと注意が必要です。

今回は、効率よくできるベランダ掃除の方法や注意点を次の5つの面からご紹介します。ぜひ参考にしてみてくださいね。

  • 掃除するのにベストの日
  • 一番気をつけなければならない点
  • 汚れに応じた掃除方法
  • ベランダ掃除、上手な進め方
  • 掃除道具チェックリスト

ベランダ掃除に最適な日は?

ベランダ掃除には向いている日と向かない日があります。風の強い日や、晴天の日のベランダ掃除は避けたほうがよいといわれています。

ご近所への影響も考えて、ベランダ掃除は砂やホコリは舞い散りにくい風の弱い日に行うようにしましょう。湿度が高い曇りや小雨の日ならばよりおすすめです。

さらにベランダ掃除はどうしても時間がかかることが多いので、熱中症などを避けるためにも快晴で気温が高い日は避けたほうがいいでしょう。

梅雨の季節は、湿度が高く雨の日も多いのでベランダ掃除には向いているかもしれません。天気が悪い日はお出かけせずにベランダ掃除をするという選択もありますよ。

さて続いて、ベランダ掃除をする際にこれだけは気をつけておきたい、 
という注意点についてご説明します。

近所迷惑にならない水の使い方を!

さぁ、お掃除!水をバーッと撒いてブラシでゴシゴシ、こんなイメージをお持ちの方は要注意です。マンションのベランダは防水加工がされていないことが多く、1つの排水溝を2世帯で共用しているマンションも多いようです。

ベランダ掃除に大量の水を使うと、下の階に水漏れしてしまうこともありますし、隣のお宅に汚れた水が流れていってしまうこともあります。下の階で洗濯物やお布団などを干していたら大変なことになってしまいますね。

こういうことが起こらないように、「利用規約」の中の「利用細則」でベランダやバルコニーに大量の水を流すことを禁止しているマンションもあります。ライオンズマンションの使用細則から一例をあげてみましょう。

区分所有者ならびに占有者は、専有部分および専用使用部分の使用にあたり次の行為をしてはならない。

  • バルコニー、ルーフバルコニー、テラス、専用ポーチおよび専用庭等に設置型物置等これらに類する構築物を設置すること。
  • 窓、バルコニー、およびルーフバルコニー等の手すりにBS・CSアンテナ等を設置すること。
  • 窓、バルコニーおよびルーフバルコニー等から物を投げ捨てること。
  • 窓、バルコニーおよびルーフバルコニー等に土砂を搬入すること。また、大量の水を流すこと。
  • 窓、バルコニーおよび専用ポーチなどの手すりに寝具、敷物、洗濯物を干すこと。

この「利用規定」は管理組合が決めるものなのでマンションごとに違います。現在マンションにお住まいの方はぜひチェックしてみてください。

いずれにしても、ご近所への迷惑を考えれば、ベランダに水を大量に流して掃除することは避けたほうがよいといえます。また、水を強く吹きかけて汚れを取る高圧洗浄機もありますが、ベランダ掃除に使う場合は、あらかじめ管理組合に確認しましょう。 
じつは、ベランダは大量の水を使わない掃除で充分にきれいにできます。その方法について、これからご説明します。

ベランダの汚れといっても、実は様々です。 
汚れの種類と汚れに応じた掃除の仕方をあらかじめ知っておきましょう。

汚れに応じた対処法を身につけましょう

雨や風などにさらされていたり、ガーデニングなどに活用されたり、ベランダは色々な汚れがつきやすい場所です。それぞれの汚れに応じた対処法を予め知っておけば、汚れを簡単に落とすことができて掃除がスムーズに進みますよ。

土埃や砂

ベランダで一番多いのが土埃や砂です。普通にしていても溜まりやすいのですが、ベランダでガーデニングをしている場合は、さらに量が増えてしまいます。このような細かなゴミを取るには新聞紙を使うのが一番です。

まず新聞紙を水に濡らし、細かくちぎった後でベランダにまんべんなく撒きます。その後でホウキを使って新聞紙をチリトリに回収していきます。

排水口のゴミ

様々なゴミや髪の毛、枯れ葉などがどうしても溜まりやすいのが排水口の周り。水が溜まっていると不衛生なことも多いのでゴム手袋をして掃除をしましょう。細かなゴミは使い古しの歯ブラシを使ってかき出すように取り除くときれいに取れます。

ホコリ・繊維くず

ホコリや繊維くずのような細かいゴミも土埃や砂と同様に新聞紙を使えばきれいに取ることができます。

排ガス汚れ

ベランダが交通量の多い道路などに面していると排気ガスの油でベランダが汚れてしまうことがあります。こういう排ガス汚れに効果があるのが油分をしっかりと分解してくれるアルカリ性の洗剤です。市販の洗剤でももちろんいいのですが、環境に優しい重曹を使うのもおすすめです。

市販のアルカリ性洗剤ならば水で2倍程度に薄めて使いましょう。重曹ならば100mlの水に小さじ一杯の重曹を混ぜたものを使います。ブラシ等につけてこすれば汚れをしっかりと落とすことができます。

重曹よりもアルカリ性が強く水にも溶けやすい「セスキ炭酸ソーダ」も最近注目されています。こちらは水500mlに対して小さじ一杯で利用できます。重曹で落ちない排ガス汚れにはぜひこちらを試してみてください。

鳥のフン

鳩などの鳥のフンには様々な病気の原因菌が潜んでいたり、アレルギーを引き起こすこともあります。放置しておくと同じ場所にまたやってきてフンをするので、見つけたらすぐに取り除くようにしたいものです。

フンを掃除する時にはゴム製などの手袋を付け、菌を吸い込まないようにマスクをしましょう。拭き取るにはお湯で少しだけ湿らせたキッチンペーパーがおすすめ。 
取り除いた後は、エタノールスプレーを吹きかけて消毒することも忘れずに。

コケ

ベランダには、日当たりや季節によって緑色のコケが生えてしまうことがあります。コケは市販のカビ取り剤をスプレーしてブラシなどでこすれば簡単に落ちるのでいいのですが、熱湯をかけても同じような効果があるので試してみてください。少しだけふやかして軽くこするだけでコケは簡単に剥がれ落ちます。

さて、いよいよ本番です。ベランダ掃除は段取りしだい! 
次のような順番でお掃除を始めましょう。

よりスムーズにできるベランダ掃除の進め方

ベランダ掃除は段取りが悪いと思った以上に時間がかかってしまうこともあります。短時間で手際よく終わらせるための進め方をここで紹介しましょう。

まず道具をすべて用意します

掃除に使う道具や洗剤などは必ず最初に用意して、取りやすい所に置いておきましょう。その都度取りに行くのは面倒だし、時間のロスにもなります。用意するものはこのコラムの最後にまとめたので、参考にしてください。

掃除をしやすいように片付ける

ベランダを片づけてなるべく物がない状態にしておけば掃除も短時間ですみます。ガーデニングの鉢などもいったん室内に移動させてください。すのこやウッドパネルなどを敷いているならば、それらも取り外しておきましょう。

鳥のフンは最初に取り除く

すでに書いたとおり鳥のフンには菌が潜んでいる可能性もあります。掃除中に吸い込んでしまわないように、最初にきれいに取り除いてしまいましょう。その後の消毒も忘れずに。

新聞紙を撒いてまずゴミを掃き取る

土埃や砂、繊維くずなどのゴミやホコリをきれいにするのにはやはり新聞紙が一番。細かなゴミはこれで一気になくなります。ベランダの隅などは掃除機を使ってみるのもおすすめです。水洗いのできる隙間用のノズルを使えば、吸引口の汚れの心配もないのではないでしょうか。ただし、音が大きい掃除機の場合はご近所への迷惑を考えて使わないようにしましょう。

排ガス汚れやコケなどをきれいにする

あとは汚れの部分をきれいにします。排ガスの汚れやコケなどがあればすでに書いた方法できれいに落としてください。排水口の掃除も忘れずに。

手すりやサッシの汚れも忘れずに

手すりは濡れた雑巾で水拭きするだけできれいになります。サッシでやっかいなのは土です。少し湿らせてから古い歯ブラシなどでかき出すようにしましょう。

雑巾などで拭き掃除をする

仕上げはしっかり絞った雑巾を使って床全体をまんべんなく拭きます。汚れた水を残してしまうと乾いた後にそこが目立ってしまうので要注意。隅々までしっかりと拭き取りましょう。

最後は掃除道具のチェックリストです。

ピカピカベランダのために揃えておきたい掃除道具リスト

汚れの種類によっているものといらないものがありますが、忘れている物がないか確認しましょう。

  • バケツ
  • 雑巾
  • ホウキ
  • チリトリ
  • ブラシ
  • 歯ブラシ(使い古しのもの)
  • アルカリ性洗剤 重曹 またはセスキ炭酸ソーダ(排ガス汚れがある場合)
  • エタノールスプレー(鳥のフンがある場合に消毒用)
  • カビ取り剤(カビがはえてる場合)
  • ゴム手袋
  • マスク
  • 新聞紙

洗濯物を干すだけでなく、ガーデニングをしたり、テーブルや椅子をおいてティータイムを過ごしたり、マンションのベランダは色々な用途で利用されています。だからこそ、いつもきれいにしておきたいものです。ご紹介したお掃除方法を実践して、これまで以上に気持ちのいいベランダライフを楽しんでください。