間取りの表示で、「LD」はリビング・ダイニングを意味しています。リビング・ダイニングは、リビング(くつろぐスペース)とダイニング(食事をするスペース)が間仕切りのないひとつの空間になっています。

このリビング・ダイニングですが、特にマンションの場合、大別すると縦長と横長、2つのタイプに分けられます。 

縦長リビング・ダイニングで、「もっと上手に家具をレイアウトしたい」という声を聞くことがありますので、このコラムで取り上げてみました。 

今回は、すでに縦長リビング・ダイニングのマンションにお住まいの方にも、縦長リビング・ダイニングのマンションを検討している方にも、どちらにも役立つ情報を次の4つのポイントに絞ってお伝えしていきます。

  • 縦長リビング・ダイニングの基礎知識
  • 縦長リビング・ダイニングのレイアウトのポイント
  • 家具を置く時、選ぶ時の注意点
  • 縦長リビング・ダイニングのおすすめアイデア

最初に知っておきたい縦長リビング・ダイニングの基礎知識

リビング・ダイニングの縦長と横長、どこが違うの?

縦長か横長かは、キッチンとLD(リビング・ダイニング)の配置で決まります。
リビングとダイニング2つの役割がある空間ですが、キッチンの前がダイニングスペースになる事が多いです。

縦長リビング・ダイニングの間取り例

まずは「縦長リビング・ダイニング」ですが、一般的にリビングがバルコニーに面していてその奥にダイニング、キッチンと縦に並んでいるタイプになります。リビングスペースの横にバルコニーに面した居室のある間取りが多いです。

 

横長リビング・ダイニングの間取り例

「横長リビング・ダイニング」は、リビングとダイニングがどちらもバルコニーに面していて横並びになっているタイプです。リビングとダイニングがバルコニーに面しているため、居室の1つがバルコニーから奥まった配置になる事が多いです。

縦長リビング・ダイニングのメリットとデメリット

では、縦長リビング・ダイニングとなっている間取りのメリット・デメリットをまとめてみましょう。

これが縦長のメリット!
  • 広い壁面が確保されているので、家具を置く自由度が高い。
  • バルコニーに面したもう1つの居室とリビングを一緒に使える。
  • 日当たりのいい居室が確保できる。
これが縦長のデメリット!
  • 家具を置ける自由度は高いが、動線を考えずに家具を置くと使い勝手の悪い部屋になる。
  • 一体感のある空間である反面、リビングとダイニングのゾーニングがあいまいになってしまう。(横長リビング・ダイニングの場合、キッチン前のダイニングスペースとリビングスペースがはっきりしている。)
  • 季節や方角によっては奥にあるダイニングとキッチンまで日の光がとどかないことがある。

「広い壁面が利用でき、家具の配置の自由度が高い」というのが縦長リビング・ダイニングの大きなメリットなのですが、「もっと上手にレイアウトしたい」と感じている方が多いのは、家具の配置などが意外と難しいのかもしれませんね。次は、家具の配置についてくわしくお話したいと思います。

これでうまくいく!縦長リビング・ダイニングのレイアウト

まず最初は、縦長リビング・ダイニングに家具を置く時のレイアウトの基本です。

縦長リビング・ダイニング、レイアウトの3つのポイント!

大切なのは動線!動きやすいかしっかりチェックしましょう

「動線」とは、リビングやダイニングなどであなたや家族がどのように動くのか、その「歩みのルート」のことです。

キッチン、ダイニング、リビングが縦に並ぶ縦長リビング・ダイニングでは、家具をレイアウトする際、この動線がとても大事になってきます。なぜなら、横長リビング・ダイニングと比較すると、リビングまでに必ずダイニングを通る事になるので、ダイニングが持つ通路としての役割が大きくなってくるからです。 

人が余裕を持って通れるだけの幅があるか、洗濯物を干しに行く時など迂回する必要はないかなどしっかりとチェックしましょう。ストレスなく部屋の中を移動するために、スムースな動線を確保することは暮らしの中でとても大切なことですね。

狭く感じないように視線が抜けることを意識しましょう

遠くまで見通せることを「視線が抜ける」といいます。これがうまくできないと空間を狭く感じ、圧迫感を感じて落ち着くことができません。

縦長のリビング・ダイニングで視線の抜けを作るには、家具の配置が大きなポイントになります。これについては後でご紹介するのでぜひ参考にしてみてくださいね。

まとまった空きスペースを作るようにしましょう

家具を置くスペースはリビング・ダイニング全体の3分の1までにすることが理想です。なるべく床が多く見えるようにすることで空間に大きな余裕が生まれます。

リビングとダイニングが縦に並ぶ縦長リビング・ダイニングの空間は、壁沿いに家具を置くスペースがたくさんあります。そのため、メインの大きな家具の他にも、ちょっとしたテーブルや収納家具、観葉植物などを置き過ぎてしまい、結果的に空きスペースが少なくなることが多いので注意が必要です。

テレビをどう置くかも大きなポイントです

縦長リビング・ダイニングでは、テレビは窓と直角に置くパターンが多くなりますが、ここでもひと工夫が必要です。

長めのテレビボードですっきりレイアウト

壁面にテレビを置く場合、テレビボードに載せるのが一般的です。そのテレビボードですが、収納も兼ねた長めのものがおすすめです。ボードの上に観葉植物や家族の写真を置けば、リビングをよりセンスアップできます。

ソファとテレビが近づきすぎるなら

縦長のリビング・ダイニングは、マンションによっては横の幅が十分ではなくソファとテレビの距離が近くなってしまう場合もあります。その時は、ボードなどには置かずにテレビを壁付けにしてみてはいかがでしょう。

コーナー用のテレビボードを使ってみる

L字型をしたコーナー用のテレビボードも省スペースの点ではおすすめです。コーナーを無駄なく使うことができ、ダイニングやキッチンからもテレビが見られるようになるという大きな利点があります。

一人掛け用のソファを選んでみる

テレビとの距離が決まってしまう3人掛け用のものではなく、ある程度自由に距離がとれる1人掛け用のソファを数脚選んでみるのもおもしろいですね。

家具を置く時、選ぶ時の大切なポイント

一目惚れには要注意!色やサイズも大切です。

視線の抜けをつくるには

リビング、ダイニング、キッチンが縦に並ぶ縦長リビング・ダイニングでは、縦方向に視線をさえぎってしまうような高さのある家具を置かないことが大きなポイントです。リビングとダイニングの境界をしっかり分けたい場合でも間に置く家具は低めのものにしましょう。
また、壁際に置く家具もキッチン側から見て、高い家具から低い家具、というようにすれば奥行きが生まれて視線の先が広がりやすくなります。

ラグを使って2つの空間に

リビングとダイニングの空間があいまいになりやすい縦長リビング・ダイニング。家具で区切る方法もありますが、それぞれにラグを敷いてスペースをはっきり分けるのもおすすめです。ラグと家具の色のコーディネートを考えましょう。

カラーコーディネートを大切に

これは縦長リビング・ダイニングに限ったことではないのですが、家具を選ぶ時にはカラーコーディネートが大事です。まず、インテリアの色と床の色がマッチしているかどうかを考えるようにしましょう。赤など暖色系の家具は膨張色のため圧迫感を与えるので、メインの家具に選ぶ場合は注意が必要です。

縦長リビングのおすすめアイデア

さらにこんなレイアウトのアイデアで縦長リビング・ダイニングを有効活用しましょう。

縦の長さを持て余している場合には

壁際にパソコンなどを置いたワークスペースを作ったり、1人用のソファ2脚とテーブルでお茶や読書を楽しむスペースを作ってみるのもおすすめです。

丸いダイニングテーブルで変化をつける

縦長リビング・ダイニングの家具の配置はどうしてもパターン化されたものになりがちです。変化を付ける意味で丸型のダイニングテーブルを選んでみてはいかがでしょう。少しスペースはとりますが、全体的に柔らかいイメージがうまれます。

カウンターテーブルでリビングをより広く!

夫婦で働いていて食事の時間もバラバラというご家庭なら、思い切って省スペースのカウンターテーブルにするのもおすすめです。リビング・ダイニングのダイニングスペースを減らすことで、リビングにゆとりが生まれ、休日などゆったりと過ごすことができます。

さらに広々スペースに

ライフスタイルの変化に合わせて、リビング・ダイニングと隣の居室との境になっている壁を取り払って、さらに広々とした空間を作ることも可能です。この境になっている壁が可動式で、普段は広いリビング・ダイニングとして使っていても、来客時やお子様の成長などで部屋に仕切れるプランの物件もあります。

縦長リビング・ダイニングのレイアウト術、いかがでしたか?レイアウトを変えたり、ピッタリの家具を選んだりすることで、マンションの住み心地は驚くほどアップします。ぜひ、このコラムを参考にワンランク上の快適さを手に入れてください。

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