GOOD DESIGN AWARD
グッドデザイン賞受賞
2015年/ 住宅・住空間部門
ライオンズパッシブデザイン

パッシブデザイン概念図

ライオンズパッシブデザイン採用の室内(2015年7月撮影)

実証実験の様子(2012年9月撮影)

実証実験の様子(2012年9月撮影)

ライオンズたまプラーザ美しが丘テラス(2011年竣工)

ライオンズ横浜上大岡ガーデンシティ(2015年竣工)

コンセプト
日本のマンションを変える。新発想の「風通し」に挑む。古き良き日本の住まいに学び、集合住宅の弱点を克服。
自然とともに暮らし夏を快適に過ごす古き良き日本の住まいに学び、機械に頼ることなく、日射を遮り住戸内に風の流れるしくみを作った「ライオンズパッシブデザイン」。高いセキュリティ性能はそのままに、気密性の高いマンションの住空間を心地よいものにするだけでなく、電気代の削減効果があります。
開発から6年間で約4000戸にこのシステムを採用しており、日本大学との共同での開発、実証実験の実施、効果の検証、入居者の方への暮らし方アドバイスを行うなど、事業者だけでなく大学や入居者の方の協力のもとシステムの改良を重ね、進化を続けると同時にシミュレーションソフトによる効果の見える化を行うなど身近でわかりやすいシステムとしました。
審査委員の評価
風のデザインである。集合住宅は一般的に北側の片廊下はセキュリティを重視して閉鎖的な空間であった。そのためどうしても風通しが悪く、独特の臭いのこもり方や結露の発生が問題となっていた。しかし本対象は、セキュリティを維持しながら通風口などの小さな工夫を積み上げることで、自然とともに暮らしていた日本の住まいの快適性を実現した。
ライオンズパッシブデザインの概要
マンションは耐震性や断熱性、気密性は高いが、一方で風通しが悪く結露が発生するなど、自然とともに暮らしていたかつての日本の住まいとはかけ離れた住宅になっていました。マンションの高いセキュリティはそのままに、最新の設備や電気の力に頼ることなく、建築計画による環境コントロールを取り入れ、そこに住むだけで環境にやさしい住まいを作りたいという思いからこのシステムの確立を進めることとなりました。
産学共同の開発、実証実験、効果の検証、居住者への啓蒙
ライオンズパッシブデザインは、2009年に「ザ・ライオンズたまプラーザ美しが丘」において、日本大学理工学部と共同研究を行い開発しました。(第1世代)これをきっかけに、より通気効率をアップさせる工夫や効果の可視化を進めてきました。(第2世代)2013年には工学的検証と効果(電気代の削減・室温・換気量)の数値化、お客様の声を基にオリジナル通気ルーバー付扉を開発。(第3世代)さらに2015年には花粉・PM2.5に対応したフィルター付き給気口の採用、同フィルター付きの玄関ドアをメーカーと共同開発し、自然の力でキレイな空気と暮らす「ライオンズパッシブデザインプラスクリア」を開発しました(第4世代)。
居住者協力のもと住環境性能調査、環境にやさしい暮らし方アドバイスやオリジナル小冊子を用いたセミナーを実施。事業者との双方向のやり取りを行うことにより、常に身近に自然エネルギーの恩恵を感じてもらえるような仕組みとしました。入居者との接点の中で気づいた改善点や、大学と共同で検証を行うことにより、開発から6年間で開発、検証を継続的に行い、常にシステムを進化させて取入れてきています。
大京では、先駆的にパッシブデザインに着目し開発・検証を進め、2015年からは「ライオンズパッシブデザイン」を標準化し、全ての分譲マンションに導入し、全国的に普及・拡散しています。今後もハード面・ソフト面ともに進化を続け、「CO2削減」「低炭素社会」へ貢献しつづけていきたいと考えています。
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