GOOD DESIGN AWARD
グッドデザイン賞受賞
2024年/ 分譲集合住宅
リジェ南山
コンセプト
名古屋市内の代表的な邸宅地「南山」において、山林都市構想に基づき開発された丘陵地形を生かした街区を形成し、南山の自然に囲まれた生活環境を敷地の中で実現しました。そこへ住む方は敷地内のどこにいても自然を感じることができ、さらに地域に対しても自然環境を共有することで、この場所で育まれてきた、自然を身近に感じながら豊かに暮らすことができる、貴重な地域価値を持続的に継承されていくことを目指しました。
主な特徴
1.山林都市構想に基づく丘陵地形を生かした街区形成、自然に囲まれた生活環境を持続的に継承する計画
2.建物周囲を取り囲む植栽帯や、ひな壇状の人工地盤上の緑化により、階層的かつ緑豊かなランドスケープを実現
3.敷地内に形成した豊かな緑景や天然の景石、水景など、自然の趣を描写する大庇。地域に対しての環境の共有化
企画・開発の背景
南山は元々自然豊かな丘陵地であったことから、田園都市構想に端を発する山林都市構想に基づく宅地開発が行われています。計画地周辺は隼人池など自然豊かな憩いの場や美術館、神社仏閣の他、教育施設も多く、清閑かつ文化の香りが感じられ、自然を身近に感じられる良好で貴重な住環境が特徴的な街となっています。
本計画では歴史ある街並みに対して、地域の魅力の源泉である丘陵地形を生かした街区形成や緑豊かな住環境を改めて再編することで、地域に育まれた貴重な価値を持続的に継承するきっかけとなる計画を立案したいと考えました。
丘陵地形を生かし、敷地・建物・人工地盤を含めたさまざまな高さに、敷地内緑化率約30%を確保した階層的な緑地を構成。前面道路や周辺建物などさまざまな視点から敷地内の植栽を見ることができ、530本以上の植栽による四季の移り変わりが一年を通じて感じることができます。また、建物各所に採用した天然石、組石、専門の職人が一枚一枚手作業で仕上げた外壁タイルなどを有機的に構成し、周辺の街並みに溶け込んだ、風格のある持続的な景観を実現しました。
審査委員の評価
野山を切り開いて進める開発は、縮小時代になっても変わることなく続いている。地球環境が危機的な状態に追い込まれている今、こうした開発がどうあるべきかは大きな問いである。その点この開発は、むしろ緑地の方が主役なのではないかと思わせるくらいに建築は穏やかで控えめなところが素晴らしい。しかも豊かな植栽は丁寧にデザインされ、周囲にも開かれた配置計画となっている。四季折々の風景やそこに生育する生態系も、今後さらに魅力が増していくことだろう。地域の原風景を大切にした開発として、今後のモデルにもなってほしい。
物件概要
  • 物件名
    リジェ南山
  • 所在地
    愛知県名古屋市昭和区南山町6番31(地番)
  • 交通
    地下鉄鶴舞線「いりなか」駅徒歩9分
  • 敷地面積
    4,987.53㎡
  • 建築面積
    1,496.20㎡
  • 延床面積
    6,705.96㎡
  • 構造・階数
    鉄筋コンクリート造一部鉄骨造・地上3階地下1階建/共同住宅
  • 総戸数
    35戸
  • 事業主
    株式会社大京
  • 設計・監理
    アーキサイトメビウス株式会社
  • 施工
    株式会社鴻池組
  • 着工
    2022年6月30日
  • 竣工
    2024年2月29日
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