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  4. 【マンションを賢く買う、税金の話】 6.住宅購入時に親から贈与を受けた場合、贈与税が非課税になる制度

マンションを賢く買う、税金の話

マンションを購入する時にかかる税金、保有しているときにかかる税金、売却時にかかる税金をご紹介します。また、住宅ローン控除など、マイホームの優遇税制なども解説します。

6.住宅購入時に親から贈与を受けた場合、贈与税が非課税になる制度

住宅購入時に親から贈与を受けた場合に、贈与税が非課税になる制度「直系尊属からの住宅取得資金贈与の非課税特例」、「相続時精算課税」について説明します。

直系尊属からの住宅取得資金贈与の非課税特例

ここでは、直系尊属からの住宅取得資金贈与の非課税特例について解説します。

マイホーム取得のために父母や祖父母などの直系尊属から金銭の贈与を受けた場合、最高1,000万円までの金額について、贈与税が非課税になる制度です。この制度を利用するには、一定の要件を満たす必要があります。

受贈者の要件

贈与される人(受贈者)の主な要件は、以下の通りです。

  • 贈与者直系の子や孫であること
  • 贈与を受けた年の1月1日時点で18歳以上であること(2022年4月以降の贈与の場合)
  • 贈与を受けた年の所得税に係る合計所得金額が2,000万円以下(家屋の床面積が40m2以上50m2未満の場合は1,000万円以下)であること
  • 贈与を受けた年の翌年3月15日までに住宅取得等資金の全額を充ててマイホームを所有すること(持分を有しない場合は対象外)
建物の要件

建物の要件は、新築の場合は以下の通りです。

  • 家屋の登記簿上の床面積(マンションの場合には、その区分所有する部分の登記簿床面積)が50m2以上240m2以下である(合計所得金額が1,000万円以下なら40m2以上240m2以下)
  • 家屋の床面積の1/2以上に相当する部分が受贈者の居住の用に供されるものであること
  • 贈与の翌年3月15日までに居住していること、又は居住することが確実に見込まれていること
その他の要件

贈与できる財産は、住宅を新築、取得または増改築するための「お金」です。また、この制度を利用するには、届け出が必要です。(贈与を受けた翌年の2月1日~3月15日に申告)

非課税の限度額

取得した住宅の区分に応じて非課税限度額が決まります。

良質な住宅 一般住宅
1,000万円 500万円

良質な住宅とは、以下のいずれかに該当するものです。

  • 耐震等級2級以上または免震建築物
  • 断熱等性能等級5以上かつ一次エネルギー消費量等級6以上
  • 高齢者等配慮対策等級3以上
その他

普通の贈与(暦年課税)の非課税枠110万円と、贈与額の非課税特例の仕組みを併用することができます。
例えば、贈与額の非課税特例における限度額が1,000万円の場合、110万円を加えた、1,110万円まで非課税で贈与を受けることができます。夫婦それぞれが、ともに実の両親から贈与を受けると、2人合わせて最大2,220万円までの贈与を非課税で受けることができます。

●2024年3月の法令に基づいています

相続時精算課税

相続時精算課税制度は、相続の一部を前倒しで行う仕組みです。生きているうちに子供に贈与した財産は、親が死亡したときの相続財産に加えて、相続税額を精算します。

贈与者の要件

贈与する人には、以下の要件があります。

  • 贈与される人の親や祖父母であること
  • 贈与をした年の1月1日時点で60歳以上であること
受贈者の要件

贈与を受ける人(受贈者)には、以下の要件があります。

  • 贈与する人の直系の子や孫であること
  • 贈与を受けた年の1月1日時点で18歳以上であること(2022年4月以降の贈与の場合)
非課税の限度額

「生前の贈与額の累計額」が2,500万円までは特別控除として贈与税が非課税となります。ただし、生前贈与した特別控除の金額分は相続時の課税対象となり、相続税で精算します。
贈与額が「非課税額」を超えた場合は、(贈与金額-非課税額)× 20%の贈与税を支払います。

非課税の限度枠は、次の通り計算します。

贈与によって財産を
取得するタイミング
2028年12月31日まで
贈与税の計算方法 [(贈与金額 - 基礎控除110万円)- 特別控除2,500万円] × 一律20%
相続財産に加算する
贈与財産
相続時精算課税適用後のすべての贈与財産
(ただし、毎年110万円までの贈与財産は除く)
他の制度との併用

この制度は「直系尊属からの住宅取得資金贈与の非課税特例」と併用して使うことができます。2つの制度を併用することで、多額な支援が可能になります。

注意点

制度を使うと、普通の贈与(暦年課税)の基礎控除(年間110万円)を使用することができなくなります。その後の贈与分は、贈与者が亡くなるまで相続時精算課税制度を活用することになり相続財産に合算されることになります。これは一度選択すると変更できないので注意が必要です。
ただし、2024年1月1日以降に贈与によって財産を取得する場合、年間110万円以下の贈与であれば相続財産に加算されず、申告も必要ありません。

●2024年3月の法令に基づいています。

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