マンションを賢く買う、税金の話
2.不動産取得税の計算方法と軽減措置の手続き
不動産取得税は、マンションなどの不動産を取得した人に対して、都道府県が課税する税金で、「不動産を新しく取得した時に1回だけ課税される税金」です。「マンションを買った」「土地を買った」「マイホームを建てた」など、新しく不動産を手に入れた際に課税される不動産関係の税金の1つです。
対象者 ~誰が誰に払う税金か~
税金には「国税」や「地方税」などの分類があり、分類により誰が誰に税金を支払うかが異なります。不動産取得税は地方税なので、不動産取得者が地方自治体に税金を支払います。
対象 ~何に対して払う税金か~
不動産取得税は不動産の取得に対して支払う税金です。課税対象になる不動産は、新築・中古を問いません。未登記の物件を取得した場合も対象になります。不動産の取得が有償か無償かも問いません。
つまり、不動産の取得方法が贈与・売買・交換・建築(増築や改築含む)かを問わず、個人や法人が不動産を取得したら課税されます。ただし、相続により取得した場合には課税されません。
税率 ~いくら払う税金か~
不動産取得税は、決められた計算式により、税額が算出されます。計算式は以下の通りです。
税額=課税標準額 × 4%
上記の式からわかるように、不動産取得税は、建物や土地を実際に購入した金額から計算されるわけではなく、課税標準額という価格が使用されます。課税標準額については、次の章で説明します。
また、不動産取得税の税率は原則的に4%ですが、2027年3月31日までは特例措置により、土地および住宅にかかる税率が3%、住宅以外の家屋にかかる税率が4%になっています。
同時に、2027年3月31日までに宅地(宅地および宅地評価された土地)を取得した場合には、評価額が1/2になる措置がとられています。
マンション不動産取得税は購入した金額で計算されないってホント?
不動産取得税は「課税標準額」に税率を掛けて算出します。不動産の「購入金額」や「建築工事費用」に税率を掛けるのではないことに注意してください。
課税標準額とは、不動産取得税に限らず使用される、税額を求めるための基準となる価格のことです。
不動産取得税の課税標準額には、原則として固定資産税評価額(市町村が固定資産の評価を明らかにするために備えている、固定資産課税台帳に登録されている価格)が使われます。そのため、基本的には【課税標準額=固定資産税評価額】と考えればよいでしょう。
マンション不動産取得税は軽減されることがある
不動産取得税には、税金の負担を軽減する軽減措置と免税が行われています。建物に対する措置と土地に対する措置が異なるため、それぞれ順番に説明します。
建物
建物の状態 | 控除内容 | 軽減措置の条件 |
---|---|---|
新築物件 | 固定資産税評価額から 1200万円が控除される。 |
|
耐震基準に適合する 中古物件 |
固定資産税評価額から 100万円~1,200万円 控除される。 物件が建てられた日に よって控除額が異なる。 |
|
耐震基準に適合しない 中古物件 |
固定資産税評価額から 30,000円~126,000円 控除される。 物件が建てられた日に よって控除額が異なる。 |
|
土地
マンションの土地に関する不動産取得税の軽減措置は以下の通りです。
以下のいずれか高い金額を税額から軽減。
①45,000円
②土地1m2当たりの固定資産税評価額 × 1/2 × 住宅の床面積の2倍(1戸あたり200m2が限度 × 住宅の取得持分)× 税率(3%)
新築でも中古でも、建物に関する軽減措置を受けられるマンションであれば、土地に関する軽減措置も受けられるケースがほとんどです。
ただし、まれにこの軽減措置に該当しない場合があるため、実際に軽減対象になるかどうかは、税理士など専門家に確認してもらいましょう。
マンションの不動産取得税まとめ
不動産取得税は、「不動産を新しく取得した時に1回だけ課税される税金」です。
不動産取得時に、いくらお金が必要なのか把握するためにも、不動産取得税について考えておくことは重要なことです。
マンションを購入する予定がある方は、軽減措置などもあわせて不動産取得税について知っておきましょう。