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  4. 【マンション購入のためのお金の話】 3.押さえておきたい、住宅ローンの金利タイプ

マンション購入のためのお金の話

住宅を購入するときには、住宅価格のほかにもさまざまな費用がかかります。この章では、自己資金の目安や諸経費の種類、住宅ローンの借入額を検討する際の考え方、親からの援助の受け方など、資金計画の基本的な立て方をご紹介します。

3.押さえておきたい、住宅ローンの金利タイプ

マンション購入計画と住宅ローンのポイント

住宅を買うときに、住宅ローンの基本的な知識を持って納得して決めるか、あるいは何となく決めてしまうかで、返済期間中の暮らし方が異なります。一言で住宅ローンといっても、借入金額・返済期間・適用金利によって、返済額は大きく違ってきます。また、金利にもさまざまなタイプがあり、どのタイプを選ぶかはとても大切です。

住宅ローンを選ぶ前に、まず、しっかりと理解しておきたいのは「金利タイプ」です。 金利タイプには主に3つの種類があります。それぞれに特徴があり、メリット・デメリットがあります。

おもな金利タイプの種類と特徴
金利タイプ 全期間固定タイプ 変動タイプ 固定金利選択タイプ
概要

全返済期間の金利が最初に決まっているタイプ

金融情勢の変化に伴い、返済途中に金利が変動するタイプ

「当初3年間は○%」など、返済期間中の一定期間のみの金利が固定されるタイプ

メリット
  • 借入時に返済期間全体の返済額を確定することができるので、生活設計がしやすい。
  • 低金利時に借りると将来にわたって低い金利が適用され、返済額も低く固定することができる。
  • 高金利時に借りると、将来の金利の低下にあわせて返済額が下がる。
  • 借入当初の金利は低い。
  • 一定期間の返済額を固定することができる。
  • 固定金利期間が終了すると、その時の金利情勢やライププランに応じて金利タイプの選択ができる。
デメリット
  • 他のタイプより金利水準が高め。
  • 高金利時に借りると、将来にわたって高い金利が適用され、高い返済額が固定される。
  • 借入時に将来の返済額が確定せず、生活設計がしにくい。
  • 低金利時代に借りて、将来金利が上昇すると、返済額が増えてしまう。
  • 借入時に固定金利期間終了後の返済額が確定せず、生活設計がしにくい。
  • 低金利時代に借りて、将来金利が上昇すると、返済額が増えてしまう。
その他
  • 長期金利(10年満期の国債の利回り)に連動。
  • 日本銀行の政策金利に連動。
  • 一般的に、半年に一度(4月、10月)見直され、政策金利の変動に応じて7月、1月から適用金利が変わる。
  • 5年間、返済額は変わらない(その間に金利が変動すると、返済額のうちの利息部分と元金部分の割合が変化)
  • 返済額アップの上限は、1.25倍までが一般的(●元利均等返済のみ)
  • 固定期間の金利は円金利スワップレート(固定金利と変動金利を交換取引する際のレート)に連動。
  • 固定期間終了時に、次回の金利タイプを選択。その時点の金利が適用され、返済額も変わる。

「全期間固定タイプ」の代表格は「フラット35」(住宅金融支援機構と民間金融機関が提携して販売している住宅ローン)。その他には、民間銀行の一部が取り扱いをしています。このタイプの最大の特徴は、借入時の適用金利が返済期間の間、ずっと変わらないことです。

これに対して、返済期間中に金利に見直しがかかるのが、「変動タイプ」と「固定金利選択タイプ」。多くの銀行が優遇金利を設けて積極的に販売しているのがこのタイプです。

それぞれメリット・デメリットがある3つのタイプの中から、どれが自分の生活や家計に合っているかを見極める必要があります。
住宅ローンを借りる場合、一般的に金利が最も低いのは変動タイプです。次いで固定金利選択タイプ(固定金利期間が短いものほど、金利が低く設定されます)、そして金利が最も高いのが全期間固定タイプです。つまり、金利は、固定される期間が長いほど高くなります。反対に、金利変動リスクが最も高く、将来の金利変動に伴って返済額が変わる可能性が高いのが変動タイプ、次いで固定金利選択タイプとなります。全期間固定タイプは、金利変動の影響を受けません。

固定金利と変動金利どちらを選ぶ?

住宅ローンを選ぶときに、まず最初に決定したいのは金利タイプです。
そしてその後に、複数の金融機関の同じタイプ同士を比較・検討するという手順になります。

「全期間固定タイプ」にするか、「変動タイプ」にするか、あるいは、「固定金利選択タイプ」にするかは、世の中の金利動向や自分や家族のライフプランなどに配慮して検討します。

住宅ローンの金利は今後どうなるのでしょうか?過去から現在までの金利水準の推移を眺めると、今後の動向を見極める参考にすることができます。
住宅ローンの金利タイプを選ぶときには、「現在は金利上昇局面か?」、「下降局面か?」、「現在の水準がこのまま続くか?」を考えてみてください。
将来をどう推測するかによって、選択する金利タイプは変わってきます。現在のことだけでなく、「将来どうなるか?」を考えることは、住宅ローンの返済が30年、35年など、長期におよぶ点からも重要です。

金利推移グラフ:https://www.flat35.com/loan/atoz/06.html
(出典:「住宅金融支援機構ホームページ」)

変動金利タイプは、全期間固定タイプと比べて、借り入れ時点での金利は常に低く設定されています。その代わり、変動タイプには金利変動リスクがあります。将来金利が上昇して返済額がアップし、家計を圧迫するかもしれません。
金利タイプを選ぶときには、世の中の金利動向の行方を推測して以下のような判断をするのが一般的です。

金利上昇局面 → 全期間固定タイプを選択
金利下降局面 → 変動金利タイプを選択

つまり、金利がこれから上昇しようとする局面で住宅ローンを組むときには、世の中の金利がアップしても住宅ローンの金利は上がってほしくないため、全期間固定タイプを選びます。そうすれば、将来金利が上昇しても返済額は変わりません。
一方、これから世の中の金利が下降しようとする局面では、世の中の金利の下降とともに、住宅ローンの金利も下降してほしいので、変動金利タイプを選びます。金利が下降すると、それにあわせて返済額も低くなっていきます。

固定金利選択タイプの金利は、変動タイプと全期間固定タイプの中間に位置づけられます。金利上昇局面に、一定期間、金利を固定で据え置いて、その間返済金額が変わらない安心を手に入れたい場合などに選びます。

住宅ローンの団体信用生命保険とその特約

団体信用生命保険(団信)は、住宅ローンを組んだ方が死亡した場合や所定の高度障害状態になった場合に支払われる保険金で残りのローンが全額返済される生命保険です。保障期間はローン返済が終了するまでです。
最近では、「団体信用生命保険」にも、さまざまな特約がついた商品が登場してきています。
これらの特約付きの団信は、死亡や高度障害状態はもちろんのこと、特定の疾病が原因で所定の状態が続いたり、介護状態になったときでも保障されます

主な団体信用生命保険の特約
3大疾病
特約
悪性新生物(上皮内がんは除く)と診断確定されたり、急性心筋梗塞、脳卒中で所定の状態が続くと保険金が支払われ、ローン残高が0になる。
リビング
ニーズ特約
余命6カ月以内と判断された場合にも保険金が支払われ、ローン残高が0になる。
介護保障
特約
所定の要介護状態と判断された場合にも保険金が支払われ、ローン残高が0になる。
3大疾病
特約
3大疾病のほか、高血圧性疾患、糖尿病、慢性腎不全、肝硬変の4生活習慣病で1カ月以上就業できない状態が続くと、毎月のローン返済相当額の保険金が支払われ、さらにその状態が13カ月以上続くと、残りのローンが保険金で一括返済される。など

●特約をつけた場合、別途保険料がかかったり、金利が上乗せになり、負担が増える場合があります。

選ぶ場合の留意点

  • 生命保険などと同様に、健康状態などの審査基準があるため、持病を持っている方や手術歴がある方などは注意が必要。
  • 免責要件があるので、事前に保険金が支払われる要件を確認すること。
  • 保険料を別途支払う必要があったり、ローン金利が0.2〜0.3%上乗せになる場合があるため、住宅ローンの借り入れ条件をよく確認すること。

住宅ローンの「団体信用生命保険」にこれらの特約を付けることを検討する場合、すでに別途加入している医療保険の内容なども確認し、必要以上の保障をつけてしまって家計の圧迫を招くことのないように配慮したほうがよいでしょう。

また、普通の医療保険に加入せずに、その分を団信の医療特約でカバーしようとは考えないほうがよいでしょう。団信についている疾病特約は、あくまで住宅ローンに付随するものです。保障期間は住宅ローンの返済期間が限度であり、保障金額もローンの返済にかかわる部分のみです。医療費や生活費を直接保障するものではありません。あくまで、住宅ローンの返済中に、死亡や高度障害以外の疾病に罹患してローンが払えなくなる不安に備えて加入するものです。

マンション購入後のローン返済を今の家計から考える

マイホームを購入するときは、それまでの家計を見直すいいキッカケになります。 購入後は、住宅ローンの返済をしながら、生活費や子どもの教育費などを支出し、子どもの高校・大学への進学資金の準備をすることになります。夫婦の老後にも備える必要があります。
これらのことをバランスよく行っていくためにも、家計を見直してムダを省き、メリハリのある支出を行いながら、貯蓄もする。そして、繰上げ返済も積極的に行って、早く住宅ローンを完済できれば、その後の生活が楽になります

家計にゆとりを生み出す方法は次の2つです。

  • 収入を増やす
  • 支出を減らす

収入を増やすには、配偶者が現在働いていない場合は、仕事を始めて収入を得るなどの方法があります。年間の手取り収入が100万円でも10年間で1,000万円になり、家計に大きな貢献ができるはずです。

支出を見直して削減する際のポイント

  • 満足度が低いものへの支出の削減
  • 家計の中の「固定費」の代表格である生命保険の見直し
  • 家計の中の使途不明金の把握と削減

ローンで住宅を購入する場合、一般的には「団体信用生命保険(団信)」に加入します。団信に加入していれば、ローンの返済中に契約者が死亡したり高度障害状態になった場合、支払われる保険金でローンは完済されます。遺族はローンの返済を引き継ぐことなく、マイホームに住み続けることができます。

一方、賃貸住宅に住んでいるときに一家の大黒柱が亡くなった場合、遺族はそれ以後も家賃を払い続けなければなりません。
つまり、住宅を取得してローン返済をしているときよりも、賃貸住宅に住んでいるときのほうが、「家賃×住み続ける期間」分だけ、生命保険で準備する保険金額を多く設定する必要があるのです。

逆に言えば、賃貸住宅に住んでいた人が住宅ローンでマイホームを購入する場合、それまで家賃分も見込んで生命保険に加入していたなら、保険金額を減額することができ、保険料も安くなる可能性があるわけです。
そのため、住宅を購入した時は保険を見直すいいタイミングと言えます。

また、これまで無意識に使っていたお金を具体的に洗い出し、要・不要に仕分け、その後はお金を意識的に使う習慣をつける必要があります。
生命保険の見直しも使途不明金の把握も自分ではなかなか取りかかれないものです。一度、家計の専門家でもあるファイナンシャルプランナーに相談し、客観的な立場で分析、アドバイスをもらってみてはいかがでしょうか?

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