GOOD DESIGN AWARD
グッドデザイン賞受賞
2025年/ 分譲集合住宅
ザ・ライオンズミレス蔵前

ザ・ライオンズミレス蔵前 2025年3月竣工(分譲済)

上段:エントランスホール、下段左:エントランスアプローチ、下段右:ラウンジ

左:南東側外観、右:北西側外観

コンセプト
台東区蔵前に位置する単身者、DINKs世代に向けた70戸の集合住宅。古くからものづくりを生業とする人々が集まる蔵前らしい「粋」に魅力を感じ集まる人々のための住まいである。コンパクトな住宅だからこそ建物単体で完結せず、街の魅力の構成要素を生活空間に取り入れ、建築と街が一体となって創出される暮らしの実現を目指した。
主な特徴
1.伝統とモダンが共存する魅力ある街の構成要素を生活空間の中に取り込む、内外連続的な空間構成
2.蔵前の街並み・路地に染み出すプランター・特徴的なサッシワークによる伝統とモダンが共存するファサード
3.手仕事を感じられるディテール・建築素材やアートにこだわり、生活空間の中に蔵前らしい「粋」をちりばめた
企画・開発の背景
台東区は賃貸マンションの供給が過剰となる一方で分譲マンションの供給は少ない傾向がある。現地は浅草橋・蔵前駅から徒歩圏内、隅田川テラスが近く、幹線道路から一本入った落ち着いた住環境にあり、都心で定住志向の人向けに分譲マンションを企画する上では好立地にあった。蔵前は昭和初期に建てられた歴史ある近代建築が現代でも活用されており、どこか懐かしさが残る街並みを形成している。また、古くから製造業を営む事業者が多く、ものづくりを中心としたまちづくりが行われており、クラフトマンシップ溢れるカフェや雑貨店が数多く存在する。そんな「手仕事」を軸に、人とのつながりが感じられる街にインスピレーションを受け、「Nostalgic Modern」というデザインコンセプトを構築。時代や流行にとらわれないスタイルを持ちつつ新しい価値を提供し、伝統とモダンが共存する街と建築が一体となった、魅力ある生活空間の創出を目指した。
審査委員の評価
蔵前の歴史的な街並みと現代的な感性を融合させた集合住宅である。伝統と現代性が調和する街の魅力を住空間に取り入れ、建築と都市が連続性を持ってつながる構成が特徴的である。外構には、鉢植えや地植えを組み合わせた庭のようなデザインを採用し、街の風景と住まいの境界を曖昧にする工夫が施されている。ファサードには、ブリックタイルや槌目調の金属パネルなど、手仕事の温もりを感じさせる素材を用い、蔵前らしい「粋」を表現している。共用部は、閉鎖的な作業空間ではなく、庭と一体化したラウンジや眺望を活かした屋上テラスなど、開放感のある設計がなされている。住戸内には、フレキシブルなキッチンやスマートボックスなど、現代の多様なライフスタイルに対応した設備を導入しており、コンパクトながらも快適性と機能性を両立させた設計は、単身者やDINKs世代にとって使い勝手の良い住環境を提供している。街の記憶を尊重しながらも、新しい生活価値を提案するプロジェクトであり、都市型住宅の一つの方向性を示している。
物件概要
  • 物件名
    ザ・ライオンズミレス蔵前(分譲済)
  • 所在地
    東京都台東区蔵前一丁目12番22(地番)
  • 交通
    都営浅草線「蔵前」駅徒歩7分
    都営浅草線「浅草橋」駅徒歩7分
    JR中央・総武線「浅草橋」駅徒歩8分
  • 敷地面積
    666.07㎡
  • 建築面積
    308.06㎡
  • 延床面積
    3,976.50㎡
  • 構造・階数
    鉄筋コンクリート造、地上15階建て、共同住宅
  • 総戸数
    70戸
  • 事業主
    株式会社大京
  • 設計・監理
    株式会社日企設計
  • デザイン監修
    UDS株式会社
  • 施工
    株式会社大京穴吹建設
  • 着工
    2023年3月22日
  • 竣工
    2025年3月21日
Top