徹底比較!気になる住まいの選択肢
そろそろマイホームが欲しいけど、このまま賃貸暮らしのほうがいいのか?
マンションにしようか?それとも一戸建てか?
新築は素敵で魅力的だけど、中古の方が実際のお部屋を確認しやすいし・・・。
住宅購入の際の悩みや迷い、不安は尽きないものです。
それらを払拭するためには、まず、老後の生活まで見据えた家族のライフプラン、生活設計をしてみることが役に立ちます。
将来のライフイベントを見える形にし、それらにいくらかかるかをある程度見積もっておけば、マイホームにどのくらいの予算をかけてもいいかが見えてきます。いまも満足、将来も安心のマイホーム購入ができるよう、この章では、ライフプランの基本的な考え方からご紹介していきます。
- 1.どんな家を買う?のその前に。将来設計を考える。
- 2.持ち家or賃貸
- 3.マンションor一戸建て
- 4.新築or中古
3.マンションor一戸建て
住宅を購入する際、マンションを選ぶのか、一戸建てを選ぶのかは、その人がもつ価値観や好み、ライフスタイルによって意見が分かれるところです。どちらがいいかは一概にはいえませんが、それぞれの特徴を知れば、どちらが自分に合っているのかわかるようになります。
ここでは、マンションと一戸建ての比較ポイントごとの特徴をまとめてみます。
「マンション」と「一戸建て」建物の違い
部屋の広さや間取りなど、マンションと一戸建てのそれぞれの特徴についてみていきましょう。
広さ
2022年度に首都圏で発売されたマンションの一戸あたりの平均専有面積は65.7㎡。一方、同年に首都圏で発売された建売一戸建ての平均建物面積は101.9㎡です。
(出所:住宅金融支援機構「2023年度 フラット35利用者調査」より、「フラット35(買取型)」または「フラット35(保証型)」を利用した人のデータ)
マンションには、コンパクトマンションなど、面積の狭いものも含まれる一方で、一戸建てのほとんどは、家族で住むことを前提にしています。そのため単純比較は難しいですが、一般的にマンションよりも一戸建てのほうが広いといえるでしょう。
間取り
ファミリー向けのマンションでは、大きなリビング・ダイニングのある間取りが中心です。ワンフロアにリビング・ダイニングとその他の部屋があるため、部屋間の移動がしやすく、いつでも家族がそばにいる感覚を持ちやすいといえます。
一方、一戸建ては、リビング・ダイニングとその他の部屋のフロアが分かれているなど、プライバシーを確保しやすい間取りが特徴です。
設備・施設
住居に設置できる設備に関して、マンションと一戸建てに大きな差はありません。しかし、マンションには共用施設があるので、その点では大きく異なります。
24時間ゴミ出し可能な収集所、キッズルームなど、利便性の高い共用施設があるマンションもあります。また、この施設の管理は、管理会社に任せることが可能です。
一方、一戸建てでは、屋根裏収納・床下収納など、マンションよりも収納スペースが多く取れる傾向にあります。
通風・採光
風通しや採光については、窓の多い一戸建てのほうが有利なことが多いようです。しかし、マンションも上階であれば、日の光をさえぎるものがないので、南向き以外の部屋でも明るい場合があります。
また、マンションの方が、気密性が高く断熱性に優れているので、冷暖房が効きやすいという利点もあります。
将来の増改築
リフォームや増改築の自由度は、一戸建てに軍配があがります。室内でも外装でも、ほぼ自分の好きな通り、自由に改築することができます。
一方、マンションは、玄関ドアは共用部分にあたり、自分の好きなように変えることができなかったり、また専有部分である室内をリフォームする場合でも、管理組合の承認が必要になるなど、マンションとしてのルールがあるのが一般的です。
「マンション」と「一戸建て」暮らしの違い
マンションと一戸建てでは、それぞれ建物に特徴があるため、そこでの暮らし方も異なるものになります。ここでは暮らしの違いについてみていきましょう。
防犯性(セキュリティー)
マンションのセキュリティー対策には、オートロック、防犯カメラ、管理人室などがあります。一戸建てでもホームセキュリティーが普及していますが、マンションの場合、何重ものセキュリティー対策がとられていることが多いです。特に近年では、オートロックや、キーを解除しないと利用できないエレベーター、さらにピッキングやこじ開けに強い玄関ドアなど、セキュリティーを強化しているマンションもあります。このように防犯性に関しては、マンションの方が優れているといえるでしょう。
最寄り駅からの距離
2023年12月に発売された首都圏のマンションにおける最寄り駅からの平均所要時間は7.8分と、一般的にマンションは駅の近くに立地しているケースが多く、車がなくても生活に困らないことがほとんどです。
(出所:株式会社不動産経済研究所「首都圏 新築分譲マンション市場動向 2023年12月」)
一方で、一戸建ては駅からやや離れた閑静な環境に建てられていることが多いようです。
コミュニティー
マンションでの暮らしは、ひとつの建物内に複数の世帯が住む、近隣世帯との共同生活です。隣戸がすぐ近くにあることから、一戸建てよりも近所に対する配慮が必要になります。
積極的に近隣の方とコミュニケーションを取ることで、普段の生活はもちろんのこと、万が一の災害の際などはお互いに助け合える関係性が築けるでしょう。
一方、一戸建ては独立性が高く、プライバシー面で優位性があります。
防音
音の問題について、マンションに住む場合は、上下階や隣戸に迷惑にならないような配慮をする必要があります。
新築の分譲マンションであれば、以前より防音性能が高くなっていますが、まったく配慮しなくてよいというわけにはいきません。
お互いが心地よく生活していくために、互いに思いやって生活していくことが必要です。
その点、一戸建ては独立性が高いため、音の問題ではマンションよりもメリットがあるといえるでしょう。
ただし、一戸建てでも隣の家が近接している場合は、配慮が必要です。
防災性
一戸建てとマンションのその他の大きな違いとして、マンションは一戸建てにくらべて火災時の安全性が格段に高いという利点があります。
マンションの壁は、コンクリート(不燃性)でできているため木造の一戸建てとくらべて延焼の危険性がほとんどありません。
そのため、マンションは一戸建てよりも火災などのリスクが低いことなどから、火災保険の保険料も比較的安くなっています。
動線
ほとんどのマンションは、部屋の中に階段がなくワンフロアで暮らすことができます。そのため、階段の上り下りをする必要がなく、家事動線がスムーズで効率よく家事をこなすことができます。
また、ラクに部屋の行き来ができるので、ケガをしたときや年をとって体が不自由になったとき、妊娠しておなかが大きいときなどにも安心です。
マンションでは、部屋のあるフロアまではエレベーターがあり、家の中でもワンフロアなので体への負担が少ない暮らしができます。
一戸建てでは、リビングなどの生活スペースと、親の寝室や子供部屋などの個室が違う階に離れていることが多く、動線も交わらないため、家族間でもプライバシーが保たれた生活ができるでしょう。