やっぱり欲しい浴室乾燥機!便利に使って上手に節約
室内で洗濯物を乾かせるため、マンションの設備として人気の浴室乾燥機。あったら便利でいいなと思う一方で、「電気代が高いのではないか?」「お手入れが大変なんじゃない?」など、コストやメンテナンスについて不安な人もいるのではないでしょうか。
今回は、浴室乾燥機の便利な機能や使い方、お手入れ方法、そして気になる電気代の節約方法をご紹介します。ぜひ参考にしてください。
浴室乾燥機とは?
浴室乾燥機は、正式名称を浴室換気乾燥機といい、その名の通り、「換気」の機能と「乾燥」の機能があります。主な機能は次の5つです。
- 乾燥:お風呂場に干した洗濯物を乾燥させる機能。
- 暖房:お風呂場を温める暖房機能。冬の入浴時に危険なヒートショック(急激な温度の変化が原因で血圧や脈拍が変わってしまうこと)を防ぐ役割があります。
- 涼風:お風呂場を涼しくするために風を送る送風機能。
- 換気:空気を入れ替える換気機能。湿度が高いお風呂場の湿気を逃がし、カビ防止にも役立ちます。
- ミストサウナ:一部の浴室乾燥機には、温かいミスト(霧)を発生させ浴室内に噴霧するミストサウナが付いています。ミストサウナは発汗作用を促し、体を芯から温める効果があるといわれています。
浴室乾燥機のおすすめの使い方
住んでいるマンションに浴室乾燥機があるけれど、使い方がわからないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。ここでは浴室乾燥機のおすすめの使い方をご紹介します。
浴室の換気・カビ予防
一つ目の使い方は換気です。浴室は、湿度が高く家の中でもカビが発生しやすい場所です。カビの発生を抑えるために、お風呂に入った後には3時間程度換気機能を作動させ、湿気をとりましょう。このとき、浴槽のお湯は抜いておいた方がよいでしょう。
部屋干し
やはり浴室乾燥機の一番のメリットといえば「いつでも洗濯物が乾かせる」ことではないでしょうか。天気が悪いとき、花粉や黄砂の時期で洗濯物を外干ししたくないときに役立ちます。
また、浴室乾燥機を使うと、部屋干し特有のにおいが発生しにくくなります。部屋干しの臭いの原因は、濡れている洗濯物に繁殖する雑菌です。浴室乾燥機を使えば洗濯物がより早く乾くため、雑菌が発生しにくくなり、臭いの防止につながります。
ニットやジーンズの陰干し
ニットやジーンズなどを洗濯する際に推奨される陰干し。お家によっては陰干しに適した「日の当たらない屋外」もしくは「風通しのいい室内」を見つけるのが難しい場合もあります。浴室乾燥機があれば、浴室で陰干しができます。ニットなどのデリケートな洋服は、お風呂のフタにバスタオルを敷いて干せば型崩れの心配もありません。
冬場のヒートショックを防ぐ
冬の寒い浴室は、急激な気温の変化で血圧や脈拍が変化する「ヒートショック」が起きやすい環境です。ヒートショックは、心筋梗塞や脳梗塞を引き起こす危険性があります。浴室乾燥機の暖房機能があれば、予め脱衣所や浴室を温めておくことができ、ヒートショックを防ぐことができるといわれています。小さなお子さんやお年寄りのいる家庭ではぜひ使いたい機能です。
浴室乾燥機の電気代比較
便利な浴室乾燥機ですが、やはり気になるのは電気代。洗濯機などについている乾燥機を使用するのと、どちらがお得なのでしょうか。ここでは、浴室乾燥機のタイプ別のコスト、浴室乾燥機と洗濯乾燥機のコストの比較をみてみましょう。
電気式とガス温水式の比較:頻繁に使うなら「ガス温水式」が安い
浴室乾燥機には、「電気式」と「ガス温水式」の2種類があり、電気代や乾燥時間がそれぞれ異なります。
- 電気式
電気式のメリットは、初期費用(設置にかかる費用)が安いことです。ただし、ガス温水式に比べると乾燥能力が低く、乾燥に時間がかかるため、電気代はガス温水式より高くなります。浴室乾燥機を使う機会が少ない人は、初期費用の安い電気式がオススメです。 - ガス温水式
初期コストが高いガス温水式ですが、乾燥能力が高く、スピーディーに乾燥できます。そのため、電気式に比べると電気代を低く抑えることができます。電気代の他にガス代がかかりますが、それでもガス温水式のランニングコストのほうが安くなります。
浴室乾燥機と洗濯乾燥機の比較:衣類乾燥だけなら洗濯乾燥機が安い
浴室乾燥機と洗濯乾燥機の電気代を比較すると、洗濯乾燥機のほうが安くすみます。なぜなら、洗濯乾燥機のほうが短時間で洗濯物が乾くからです。ただし、衣類への負担は洗濯乾燥機のほうが大きくなります。衣類乾燥のスピードやランニングコストを重視する場合には、洗濯乾燥機がおすすめです。
浴室乾燥機の電気代を節約しながら効率的に使う方法
機器の種類や電力会社のプランによって異なりますが、一般的な例として、電気料金を33.6円/kWhとした場合、浴室乾燥機は、以下のような電気代がかかります。
- 換気3時間(消費量17w) 1.7円
- 浴室乾燥3時間(消費量1350w) 135円
換気は24時間毎日使っても1ヶ月で400円程度です。しかし、衣類の乾燥を毎日3時間利用していると、1ヶ月で電気代は4,000円もかかります。効率良く浴室乾燥を利用して、電気代を節約しましょう。
電気代の安い夜間に使う
電力会社によっては夜の電気料金が安くなるプランがあります。このプランを利用し、夜間に浴室乾燥機を使えば、電気代を節約することができます。
部屋干しと併用して、使用時間を短縮する
天気が悪い日でも、まずは部屋干しをして、浴室乾燥時間を1時間減らせば、その分の電気代は節約できます。部屋干しと浴室乾燥機を併用して使用時間の短縮を図りましょう。
室内の水分を取り除く
浴室内に水分が残っていると乾燥に時間がかかってしまいます。浴槽のお湯を抜き、壁や床の水滴を拭き取ることで、浴室乾燥機の利用時間を減らすことができます。洗濯物を干す前に、換気機能を使用して浴室の湿気をなくしておくことも効果的です。
洗濯物の配置を工夫する
洗濯物を干す間隔が狭すぎると空気の通りが悪くなり、乾燥の効率が下がってしまいます。十分な間隔を取って洗濯物を干しましょう。また、温風の吹き出し口の近くには乾きにくい厚手のものを配置するなど、干す位置を工夫することで浴室乾燥機の利用時間を減らすことができます。
浴室乾燥機の交換・後付け
浴室乾燥機はもともと設置されていなくても、後付けすることができます。
後付けする場合や、すでに設置されているものを買い替え・交換する場合のポイントをご紹介します。
交換時期の目安
一般的に、浴室乾燥機の平均寿命は10年程度といわれています。使い方やメンテナンスの具合などにより変わってきますが、10年前後になる場合は、そろそろ買い替えの検討をはじめておくとよいかもしれません。
交換時・後付け時にかかる費用目安
浴室の状況や浴室乾燥機のタイプ、工事業者によって費用が変わってきますが、本体価格+工事費でおよそ5.5万円~のようです。
設置したい浴室乾燥機がその浴室に取り付けやすいものでない場合などはその分工事費もかかってきますので、いくつか候補を挙げたうえで業者に見積をとってみるのがよいでしょう。
機種選びのポイント・注意点
選ぶ際の機種のタイプの違いや、事前に確認が必要なポイントをご紹介します。
●設置タイプを選ぶ
浴室乾燥機には「天井埋め込み型」「天井付け型」「壁掛け型」の3種類があります。
- 天井埋め込み型:見た目がすっきりしていますが、天井に埋め込むスペースがないと設置できないため、後付けなどの場合はそのための工事が必要なことがあります。
- 天井付け型:天井の換気扇の位置に設置するタイプです。既存の換気扇を取り外すか、その上からかぶせるもので、後付けでも大掛かりな工事の必要がありません。
- 壁掛け型:天井付け型と同じように、壁の換気扇の位置に取り付けるものです。
●方式を選ぶ
前述のように、「電気式」「ガス温水式」の2つがあります。
工事費は「ガス温水式」の方が数千円~数万円ほど高くなるようです。
●設置場所の確認
浴室などの状況を確認します。
- 天井の開口部の大きさ:天井埋め込み型を交換する場合は、開口部の大きさと新しく設置したい浴室乾燥機のサイズが合っているか確認します。どうしてもサイズが違うものを取り付けたい場合は開口部の大きさを変える工事が必要になります。
- 換気口の部屋数:建物によって、浴室の換気口がトイレや洗面所などと共用になっている場合があります。その部屋数によって取り付けられる機種が変わってきます。
- ブレーカーに空きがあるか:浴室乾燥機の設置にあたって、専用の電線を引かなくてはならないため、ブレーカー(電源)の空き(使っていない場所)があるか確認します。
主なメーカーの機種比較
電気式では「マックス」「高須産業」「パナソニック」、ガス温水式では「リンナイ」「ノーリツ」などが人気があるようです。
ここでは主な機能以外の、各メーカーの製品の特長をご紹介します。
●電気式
- マックス(BS-161Hなど):プラズマクラスター技術搭載
イオンの力で浮遊カビ菌の作用を抑制。浴室内の空気をより清潔にします。 - 高須産業(BF-261RGAなど):グラファイトヒーターを採用
長寿命・防湿タイプのグラファイトヒーターで、浴室も身体もすばやく暖めます。 - パナソニック(FY-13UG7Eなど):「ナノイー」を放出
循環風に「ナノイー」を放出し、浴室内の浮遊カビを抑制します。
●ガス温水式
- リンナイ(RBHM-C415K1Uなど):天井埋め込み型に「うたせ湯」機能搭載
温泉地のような「球状のしずく」を再現したうたせ湯で、肩こりや筋肉の疲れをほぐします。 - ノーリツ(BDV-4104AUKNC-BLなど):「浴室あたたまりお知らせ」を搭載
温度センサーで浴室の温度を見守り。浴室が暖まったら、台所リモコンとアプリにお知らせします。
浴室乾燥機のお手入れ方法
浴室乾燥機は月1程度のお手入れが必要です。きれいに保つだけでも電気代節約につながるため、下記の方法でお手入れをしてみてください。
ホコリを除去する
浴室は通常の部屋よりもホコリが目立ちにくいですが、乾燥機の外側から掃除機をかけると、意外とホコリがたくさん取れます。まずは掃除機が届く範囲のホコリを取り除きましょう。
汚れを拭き取る
ホコリを取り除いたら、カバーを外してカバーとファンの汚れを雑巾で拭き取ります。細かいところは割り箸などに布を巻きつけて拭き取りましょう。汚れがひどい箇所は中性洗剤を薄めて布に染み込ませて拭くと落ちやすくなりますが、洗剤を使用できない製品もあるので注意が必要です。必ず説明書を確認してから行いましょう。
フィルターを洗浄する
フィルターの汚れがひどいと、乾燥効率が落ち、電気代がかさむ原因となります。フィルターは、まずホコリを掃除機で吸い取り、その後、薄めた中性洗剤を入れたぬるま湯へしばらく浸しておくと、汚れがよく落ちます。フィルターを洗った後、完全に乾かしてから元の位置に取り付けます。水気が残ったフィルターをセットすると故障の原因になるので気をつけましょう。
今回は「浴室乾燥機」の機能や便利な使い方についてご紹介しました。
浴室乾燥機は、洗濯物の乾燥のために使うだけでなく、お風呂場のカビ防止や冬場のヒートショック防止など、いくつかの用途に使える便利な設備です。浴室乾燥機を上手に活用して、快適なマンションライフをお過ごしください。