キッチンをピカピカにする掃除テクニック
キッチンをきれいな状態にしておくことは、毎日の暮らしの中でとても大切なことですよね。食べ物を扱う場所ですから清潔に保つ必要があるのはもちろんですが、きれいにしているとお料理や後片付けも気持ちよくできて、毎日の家事も楽しくこなせるかもしれません。
とはいってもキッチンは、毎日のように火や水、そして油を使って料理をするので、油汚れや水垢などが溜まりやすい場所です。このようなキッチンの汚れは、お掃除の仕方を知らないときれいに落とせないこともあり、キッチン掃除はなかなか難しいといった声も聞きます。
そこで今回は、キッチンをピカピカにするお掃除テクニックをお伝えします。知っておきたいポイントを5つにまとめてみました。
- 汚れを落とすとは
- キッチンの汚れの種類を知る
- 場所別のお掃除テクニック
- キッチン家電のお手入れ法
- 毎日のお手入れでピカピカを保つ
最初に、お掃除をする上でぜひ知っておいてもらいたいこと、
「汚れを落とす」ということを考えてみましょう。
汚れを落とすとは
みなさんは、キッチンの汚れを落とすときにどうしてますか? スポンジやタワシに洗剤をつけてゴシゴシこすると答える人が多いのではないでしょうか。では、洗剤をつけてゴシゴシこするとどうして汚れが落ちるのでしょうか?
普段は当たり前にやっていることですが、実は私たちは汚れを2つの力で落としているのです。一つは「溶かす、中和する、分解する」など洗剤等が持っている力。もう一つは「こする、研磨する、熱を加える」など、物理的に加える力です。
対象になる汚れに、この2つの力の組み合わせがマッチすれば、しっかりと落ちます。反対に、組み合わせが間違っていると汚れはうまく落ちないのです。
そのため、汚れの種類ごとにどのような洗剤を使ってどう落とすかを知ること。これがキッチン掃除の大きなポイントになります。
では、キッチン汚れにはどんな種類があるのか、
まずはそれぞれの特徴を知っておきましょう。
キッチンの汚れの種類と特徴
油が原因のもの、水が原因のものなどキッチンの汚れにはいろいろな種類があります。基礎知識として、それぞれの汚れの種類とその特徴をご紹介します。
軽い油汚れ
料理中にはねた油や揚げ物などをすると発生する、油煙と呼ばれる油の粒子による汚れです。コンロ周りから換気扇、家電や壁などにもついてしまいます。基本的には台所用洗剤で落とすことができます。
油のこびりつき
油汚れをそのままにしておいたために酸化して固まってしまったベトベト、ギトギトの酸性の汚れです。こうなると台所用洗剤ではなかなか落ちません。頑固な汚れですがアルカリ性の重曹を使えば意外と簡単に落とせます。
食品汚れ
こぼした調味料や食品の汁などによる汚れです。そのままにしておくとコンロや床などが部分的に変色することもあるので、すぐに水拭きするようにしましょう。
水垢
水道水に含まれるミネラル分がしだいに溜まって固まったもので、シンクなどに付いている白い汚れのことです。アルカリ性の汚れなので酸性の酢やクエン酸を使ってきれいにします。
石鹸カス
食器用洗剤に水道水のミネラル分が混ざったものが石鹸カスです。これも白い汚れですが、重曹を使ってきれいにすることができます。
こげつき
吹きこぼれた煮汁や油などが熱によって炭化してしまったものです。なかなか落ちにくいので重曹をペースト状にしたものなどを使って落とします。
汚れの種類が分かったならば、
次はいよいよ場所別のお掃除の仕方です。
キッチンの場所別掃除テクニック
キッチンの掃除は、汚れの種類が同じでも場所によって方法が違う場合もあります。場所別の具体的なお掃除のテクニックをマスターしましょう。
レンジフードは油が固まらないうちに
キッチンの中でもお掃除が大変なのがレンジフードですね。油汚れはそのままにしておくと固まってしまい、そうなると簡単には落とすことができません。油が固まる前に定期的なお手入れを心がけましょう。
お掃除をする時は必ず換気扇の電源を切ってから始めてください。下にあるコンロなどが汚れないように新聞紙を敷きましょう。取扱説明書にしたがって、換気扇フィルターやファンなどを取り外してください。
フィルター等の取り外した部品は大きめのゴミ袋などに入れて、20~30分ぬるま湯に浸します。汚れが浮いてきたら台所用の中性洗剤をスポンジにつけてこすり洗いをしましょう。それでも落ちない汚れは歯ブラシにクリームクレンザーをつけて丁寧にこすります。
レンジフード本体は、ぬるま湯につけて固く絞った布で拭き、しばらくたったら、今度はぬるま湯で薄めた台所用中性洗剤につけた布で再度拭きます。さらに水拭きをし、最後にから拭きで仕上げます。ボタン周辺などは歯ブラシを使えば汚れも落としやすいです。
シンクの汚れは酢水と重曹で
シンク周りの白い汚れは水垢と石鹸カスによるものです。水垢を落とすには、まず酢と水を1対2にした酢水を作り、それをスプレー容器に入れて全体に吹きかけます。1~2時間そのままにすると水垢が浮いてくるので、スポンジを使って軽くこすればきれいにとれます。
水垢を落とした後にまだ白い汚れが残っているならば、それが石鹸カスです。石鹸カスには重曹を使いましょう。まずはシンクを水洗いして、そのあとで重曹を粉のままふりかけます。1時間ぐらいそのままにしておいてスポンジでこすればこちらもきれいになります。
樹脂製やホーロー製のシンクの掃除には、中性洗剤と柔らかなスポンジを使いましょう。アルカリ性や酸性の洗剤、重曹や酢などは、これらの素材のシンクを傷つけてしまう可能性があるので注意してください。
こびりついた水栓の汚れにはクリームクレンザー
水栓についた水垢は中性の台所用洗剤で落とします。掃除がしにくい細部やハンドルの裏側は、使い古しのナイロンストッキングをひっかけて左右に引っ張るだけでもきれいにすることができます。
水垢の汚れが固着している場合は、台所用のクリームクレンザーをスポンジにつけて磨いてみましょう。
ガスコンロの油汚れは重曹でしっかり落とす
油がはねたものやこげつき、煮こぼれなどコンロ周辺の汚れはなかなかやっかいですね。コンロの汚れは酸性の油汚れが中心ですから、アルカリ性の重曹を使うのが効果的です。お掃除はガスの元栓を締めてから始めましょう。
五徳や受け皿など取り外せる部分は、お湯を入れた大きめのゴミ袋に重曹を入れて(お湯1リットルに重曹大さじ6~7杯)そこにつけ置きします。20~30分たつと汚れが自然に浮いてくるので、あとはお湯につけたままで歯ブラシを使って細部をこすり落としてください。最後は布で水分を拭き取り乾かしましょう。
コンロ本体は、汚れが気になる部分を中心にスプレー容器に入れた重曹水(ぬるま湯100mlに重曹小さじ1杯を入れたもの)を吹きかけます。その上からキッチンペーパーを貼り付けて汚れをゆるませてください。15分ほどたってペーパーを取り除いたら、数度にわたって水拭きしましょう。
魚焼きグリルは重曹ペーストを塗って
油汚れでベトベトになった魚焼きグリルの受け皿は、重曹ペーストできれいにします。重曹ペーストは水1に対して重曹3の割合で混ぜ合わせて作ります。ペースト状になったものをスポンジ等で受け皿に塗って、1時間程度そのままにしておきます。最後にアクリルたわしでペーストと一緒にこすると汚れはきれいに落ちます。庫内も同じように重曹ペーストを使って掃除することができます。
さあ、続いてキッチン家電もきれいにしましょう。
キッチン家電の汚れの落とし方
汚れの多いキッチン空間では、家電も美しさを保つのが大変です。汚れをそのままにしておくと故障の原因にもなるので、ぜひ定期的にお掃除をしましょう。
食器洗い乾燥機
食洗機の中にできる白い汚れの正体は水垢です。水垢は酸で溶かして落とすことができるので、クエン酸を使って落とします。
いつもの洗剤投入口からクエン酸大さじ2~3杯を入れて、食器を入れないまま洗浄します。時間が一番長い洗浄コースを選んでください。これだけで庫内はとてもきれいになります。もし部分的に汚れが残っている場合は、クエン酸スプレー(水100mlにクエン酸小さじ1杯を混ぜたもの)をかけて、しばらくたってから汚れを拭き取りましょう。
冷蔵庫
食品を収納する場所ですから、冷蔵庫内の掃除には安全性の高い重曹水(ぬるま湯100mlに重曹小さじ1杯を入れたもの)を使います。
可能ならば庫内の食材を全部出して棚などもすべて外せば、邪魔なものがないので手短にお掃除ができます。この場合、コンセントも抜いてください。重曹水を布巾などの布にスプレーして隅々まできれいに拭いたあと、水拭きし、さらにから拭きしましょう。重曹を使うと庫内の気になる臭いを脱臭してくれる効果もあります。ドア部分も同じように重曹水をスプレーしてきれいにします。
電子レンジ
電子レンジは庫内に汚れがこびりつかないように、使用後に毎回サッと布巾などで拭く習慣をつけたいですね。レンジ内の油汚れやこげが目立つ場合は重曹水を使います。
耐熱容器に重曹水を適量入れて電子レンジでチンします。沸騰して蒸気が出てくるので、そのまま扉を閉めた状態で20~30分、庫内を蒸らします。汚れが柔らかくなってくるのでスポンジ等できれいに拭き取ってください。
オーブントースター
オーブントースターも汚れを蓄積させないように、使用後に庫内を拭く習慣をつけましょう。こげや油汚れにはセスキ炭酸ソーダを使うのが効果的です。
気になる部分にセスキ炭酸スプレー(水500mlに市販のセスキ炭酸ソーダ小さじ1杯を混ぜてスプレー容器に入れたもの)をたっぷりと吹きかけそのままにしてください。汚れが浮き上がってきたら布巾などで拭き取ります。こげがなかなか落ちない場合は重曹をペースト状(水1に対して重曹3の割合)にして、こげの部分に直接塗って上からラップしましょう。4時間程度放置しておいたあとで、こげをヘラでこするようにすればきれいに落とすことができます。
電気ポット
電気ポットも水垢がつきやすいので、クエン酸を使ってきれいにします。ポットの満水表示ラインまで水を入れて、クエン酸大さじ1杯を加えてからお湯を沸かしてください。2~3時間そのままにしたあと、スポンジで軽くこすれば水垢でできた白い斑点はきれいになります。
さて、気になる汚れはきれいになりましたか?
最後は一番大切な日々のお手入れについてです。
ピカピカを保つには毎日お手入れを
さて、気になる部分をきれいにしたら、これからは汚れを蓄積させないように日々のお手入れを続けましょう。特に大切なシンクとコンロのお手入れ方法をご紹介します。
シンクは最後に必ず水気を拭き取りましょう
シンクの掃除は1日1回でいいので食器洗いのあとにやりましょう。台所用の中性洗剤を水で湿らせたスポンジにつけてこすってください。汚れを水で洗い流したら、必ず乾いた布巾で水気を取ります。水気が残ると水垢の元になるので忘れずに。
排水口なども同様に洗剤を使って洗いますが、細かい部分は歯ブラシなどできれいにしましょう。水切りカゴをお使いの方は、スポンジで洗ったあとに熱湯をかけ、最後にから拭きすれば美しさが保てます。
コンロは温かいうちに拭き掃除を
ガスコンロの毎日のお掃除のポイントは、コンロがまだ温かいうちに拭き掃除をすることです。温かければ油も固まっていないのでサッと拭き取れます。五徳は外して水をつけたスポンジできれいにし、ガス台は絞った布できれいに拭きます。サビ防止のためにから拭きで仕上げましょう。
その他のキッチン家電も、使った後にサッと布巾で拭く習慣をつけておくといいですね。汚れがこびりつかずお掃除もラクになるのでぜひ実行してみてください。
今回はキッチンのお掃除テクニックを紹介しました。気になる汚れがあるようでしたら早速試してみてください。最後に、ずっとお掃除をしていなかった換気扇やコンロなどはなかなか汚れが落ちにくい場合もあります。そういう時には掃除のプロフェッショナルに頼んでみるという方法もあります。お掃除のプロは汚れについて詳しいだけでなく、プロ用の洗剤などを使ってきれいに仕上げてくれます。