横長リビング、実例を参考におしゃれな部屋をレイアウト
マンションのリビング・ダイニングの配置には、「縦長リビング」と「横長リビング」と呼ばれる2種類の配置があることをご存知でしょうか。それぞれに異なる特徴があるため、家具選びやレイアウトの際に気をつけるべきことが違います。横長リビングは、大きな窓があり明るく開放的ですが、壁面が少ないため家具の配置にはちょっとした工夫も必要です。
今回は横長リビングに合ったレイアウトパターンや家具の配置のコツを、実例とともにご紹介します。横長リビングのマンションに住むことを検討している方だけでなく、すでにお住まいの方もぜひ参考にしてください。
目次
横長リビングレイアウトの基本知識
まずは横長リビングの特徴をご紹介します。
横長リビングとはどんなリビング?
横長リビングとは、リビングとダイニングが横並びになっている配置のことです。
横長リビングの特徴
横長リビングはリビングとダイニングがどちらも大きな窓に面している場合が多く、明るく開放感があることが最大の特徴です。そのほかには下記のような特徴があります。
- キッチンと窓との距離が近いため、キッチンが明るい
- リビングに使うエリアと、ダイニングに使うエリアの区分がしやすい
- 壁が少ないため家具の配置に少し工夫が必要
横長リビングのレイアウトで気を付けること
前述のような特徴を持つ横長リビングには、どのような家具のレイアウトが良いのでしょうか。ここでは、レイアウトで気を付けることについてご紹介します。
動きやすい“動線”を作る
部屋のレイアウトをするときには、まず動線を考えることが大切です。「動線」とは人が家の中で動き回る経路のこと。家族が通る経路を考えて家具を配置すれば、リビング・ダイニングが使いやすくなります。例えば、キッチンからダイニングへ料理を運ぶ経路、リビングでテレビを見たり、くつろいだりする時に通る経路、洗濯物を干すのにベランダへ出るための経路などを考えてみましょう。
家族がよく通る経路には、十分な広さを設けましょう。一般的に、人が1人通るのに必要な幅は60cm、2人がすれ違うためには90~120cmの幅が必要だといわれています。家族が集まるリビング・ダイニングだからこそ、動きやすい動線を考慮したレイアウトが重要です。
テレビの置き方を工夫する
窓が大きく壁面の少ない横長リビングでは、テレビの置き方にちょっとした工夫が必要です。特に、窓から差し込む日の光の反射を考慮してテレビを配置しましょう。
以下のコツも参考にしてみてください。
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テレビとダイニングスペースの間に家具を置かなければ、ダイニングテーブルからもテレビが見やすくなり、リビング・ダイニングにいる人みんなでテレビを楽しむことができます。
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L字型のコーナー用テレビボードが活用できる場合は、テレビを斜めに置いてみましょう。ダイニングからだけでなくキッチンからもテレビが見やすくなり、料理中も一緒にテレビを楽しむことができます。
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テレビを壁掛けアーム式にすれば、空間を有効に使えます。更に日の光が気になる時間帯にはテレビの角度を変えて反射を防ぐこともできます。
横長リビングの家具のレイアウト
リビング・ダイニングのメイン家具として考えられるのは、ソファ、リビングテーブル、ダイニングテーブルセットです。ここでは横長リビンングのレイアウトをするときのメインとなる家具の種類や選び方、配置についてご紹介していきます。
ソファの種類
ソファは、その形を大きく分けるとL字型とI字型の2種類があります。L字型ソファは、顔を見ながら会話ができるというメリットがあります。角部屋など2面に窓があるリビングではコーナーを利用した配置にも有効です。I字型ソファはL字型に比べて場所を取らないのが特徴です。
横長リビングのソファの置き方
横長リビングのソファの置き方は以下の4つのパターンがあります。
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壁際に置く
ソファをダイニングに向けて壁際に配置すれば、ソファの前には広い空間が生まれます。ダイニングとコミュニケーションのとりやすいスペース作りができます。
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仕切りとして置く
リビングとダイニングの真ん中に仕切りとしてソファを置く配置です。ダイニングを背にしてソファを配置することで、リビング・ダイニングのエリア分けをはっきりさせることができます。
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窓に向けて置く
ソファを大きな窓に向けて配置すれば、ダイニングが外の景色を楽しむスペースになるでしょう。
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窓を背にして置く
窓側にソファを設置する場合でも、低いタイプのソファを選べば空間を広く見せることができます。また、ダイニングに向けることで家族との会話をより楽しめる部屋になりそうです。
ソファとリビングテーブルを置くのに必要なスペース
リビングテーブルを置く場合は、ソファとの距離を考える必要があります。ソファとテーブルの距離は、45~50cm必要といわれています。低いタイプのソファでゆったり足を伸ばすことを考えると50cm以上のスペースが必要になります。
ダイニングテーブルの種類
ダイニングテーブルには、長方形、正方形、丸型などの形状の違い、伸長式やバタフライ式と呼ばれる長さ調整のできるものまで様々な種類があります。ダイニングエリアの広さやスタイル、また、その目的と配置に応じたダイニングテーブルを選びましょう。
横長リビングのダイニングテーブルの置き方
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キッチンとテーブルをT字型に配置
料理しながらの会話やカウンター越しの料理の手渡しがしやすく、ダイニングとキッチンのコミュニケーションがとりやすいスタイルです。また、テーブルを壁際に寄せて配置すれば、ダイニングとリビングの間にさらに広いスペースができ、横長リビングがさらに開放的に感じられるでしょう。
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キッチンとテーブルを平行に配置
ダイニングテーブルに座りながらリビングを眺めることができるので、リビング・ダイニング全体でコミュニケーションがとりやすいスタイルです。
横長リビングの収納レイアウト
横長リビングは、壁面が少なく家具の配置が難しいことがあります。そのような場合は、両サイドの壁を、天井まで続く壁面収納にすると収納不足が解消されるかもしれません。また、部屋の仕切りとして収納家具を置くアイディアもあります。
リビングの壁面収納
テレビボードも兼ねた天井までの壁面収納を設置すれば、収納に役立つだけでなく、リビングの飾り棚にもなり、インテリアに彩を加えることができます。
ダイニングの収納
キッチンカウンターやダイニングの壁際などに中の見える収納家具を設置すれば、収納場所を増やせるだけでなく、お気に入りの食器を飾ることもできます。
リビングに収納家具を配置してスペースをわける
リビングに収納家具を置くことで、例えばくつろぐスペース、趣味のスペースなどに、空間をわけることができます。背の低い家具を選べば、圧迫感もありません。
横長リビング・モデルルームのレイアウト例
実際の横長リビングのモデルルームを見ながら、そのレイアウト例をご紹介していきます。
キッチンとダイニングテーブルをT字型に配置
キッチンカウンター越しに料理のやり取りなどができ、ダイニングとキッチンのコミュニケーションがとりやすいレイアウトです。
6人掛けのテーブルを、キッチンとT字型にレイアウトしました。キッチンから全員の顔が見えるダイニングでは、来客があったときでも、みんなで楽しく食事ができそうです。
キッチンとダイニングテーブルを平行に配置
ダイニングからリビングエリアを見渡せる、リビング・ダイニング全体のコミュニケーションがとりやすいレイアウトです。
16畳の広いスペースを利用して、キッチンと並行にダイニングテーブルを設置。ダイニングにいても、リビングにいても開放的な雰囲気を楽しむことができるレイアウトになりました。
ダイニングテーブルを背にしてリビングのソファを配置
ソファがリビング・ダイニングの仕切りとなり、2つのエリアをしっかりと分けられるレイアウトです。
ソファをダイニングとの仕切りとして置くことで、リビングと洋間が、大人が趣味を楽しんだり子供が遊んだりできるひとつのエリアになりました。
ソファをダイニングに背を向けて置き、さらにラグを敷くことで、リビングとダイニングをエリア分けしています。向かい合わせにソファセットをレイアウトすることで、広いくつろぎのスペースを確保しました。
ダイニングテーブルに向かってリビングのソファを配置
リビングとダイニングに仕切りのない開放感あるスペース作りができるレイアウトです。
リビングのソファをダイニングテーブルに向けてレイアウトしています。ソファに座りながらテレビを見るだけでなく、ダイニングにいる家族との会話も楽しむことができそうです。
リビングのソファをL字型に配置
角部屋にある広さのあるリビングエリアには、壁側と窓側に沿ったL字型で2台のソファを配置すれば、開放的な空間が保たれます。窓際に置くソファは、高さの低いものを選ぶと空間を広く見せることができます。
窓沿いに低いソファをL字に置くことで、ダイニングと一体感のあるエリアができました。広いリビングエリアでは、ソファだけでなく、ラグの上に直接座って、くつろぐことができそうです。
17.6畳の広いリビングダイニングキッチンの窓側にL字のソファを置いています。4.5畳の洋間とはTVボードで区切られているだけなので、とても広いリビング空間ができあがりました。
横長リビング・モデルルームのレイアウトテクニック
リビングとダイニングをラグで仕切る
ソファをダイニングに向けて置くと、広いスペースができる一方、リビングエリアとダイニングエリアの区切りがなくなります。しかし、リビングエリアにラグを敷くことで、エリア分けができます。
約12畳の横長リビングにラグを敷き、ダイニングとリビングにスペースを分けています。窓の前に背の低いソファを置くことで解放感を確保しています。
リビングとダイニングを収納で仕切る
リビング・ダイニングの間、ソファの背面などに収納家具を設置して、エリア分けをしているレイアウトです。
今回は、横長リビングのレイアウトをご紹介しました。今回ご紹介したコツと事例を参考に、横長リビングの特徴を生かした明るいリビング・ダイニングを作ってみてくださいね。