マンションの間取りをどう選ぶ?暮らしやすい間取りの条件
場所や周囲の環境、販売価格など、マンションを探す時に検討しなければならないことはたくさんありますが、暮らしていく上では「間取り」もまた大切な要素ですよね。入居してから「なんだか住みにくい」ということがないように、次の3つのポイントに絞ってマンションの間取りについてご紹介していきたいと思います。
1.間取りのチェックに欠かせない基礎知識
間取り図チェックは部屋選びの第一歩
間取り図を見ながら新生活に思いを巡らすのはとても楽しいことですね。間取り図自体はとてもシンプルなものですが、そこに示された情報をしっかりと読み取ることが部屋選びの第一歩になります。
部屋の向きを確認しましょう
最初にチェックしたいのは部屋の向きです。方位記号はNの方が北側、その反対が南側になります。採光に恵まれている南向きの間取りは人気も集中します。西向きの居室は、夏場は西日が差し込み、室内の気温が上がりやすいですが、反対に冬場は比較的暖かいといった特徴があります。どの程度日が差すのか、モデルルーム見学時などにスタッフに聞いてみるとよいでしょう。
部屋の広さを確認しましょう
メインの居室の広さは「◯畳」「◯㎡」などの単位で表されています。「畳」は畳1枚分の広さなのでイメージしやすいですが、「㎡」はちょっとわかりにくいですね。広告物では1畳は1.62㎡という基準があるので、居室のm2数を1.62で割ることで何畳分の広さなのかがわかります。
「2DK」「2LDK」などと呼ばれる部屋のタイプを知ることで、自分の希望にぴったりの間取りが見つけやすくなります。ここでは、少し混同しやすい部屋のタイプについて説明します。
知ってましたか?1Kと1Rの違い
キッチンと居室が扉で仕切られている間取りは1K、仕切られていない場合は1Rになります。それぞれが独立した空間になっているかどうかがポイントです。
DKとLDKの違い
DKは「ダイニング・キッチン」、LDKは「リビング・ダイニング・キッチン」のことです。
DK(ダイニング・キッチン)とは、1室に台所と食堂の機能がある部屋のことであり、LDK(リビング・ダイニング・キッチン)は、1室に居間と台所と食堂の機能がある部屋です。
不動産会社によって表記の差がないように、不動産の公正競争規約で必要な広さの基準が定められています。
DKまたはLDKの最低必要な広さの目安
居室数 | DK | LDK |
---|---|---|
1部屋 | 4.5畳 | 8畳 |
2部屋以上 | 6畳以上 | 10畳以上 |
LDK+Sの「S」とは
マンションの間取りを調べると、3LDK+Sや、3SLDKのような表記を目にすることがあります。この「S」とはサービスルームのことです。サービスルームとは、採光や換気などが建築基準法上の居室の基準を満たしていない部屋のことですが、洋服や趣味の道具の収納スペース・書庫などとしては有効に活用ができます。
部屋の呼称などをチェックしましょう
間取り図には略称で表示されているので、どんな空間なのかわからない場合もありますね。下の一覧を参考にして間取り図をご覧になってみてください。
略称 | 部屋の呼称 | 部屋の特徴 |
---|---|---|
LDK | リビング・ ダイニング・ キッチン |
居間、食堂、台所が仕切りのない 1つの部屋になっている空間。 |
WIC | ウォークイン クロゼット |
歩いて入れるような広さを持つ大型収納スペース。 |
WTC | ウォークスルー クロゼット |
出入り口が2つあり、歩いて通り抜けできるような大型収納スペース。 |
SIC | シューズイン クローク |
主に玄関の隣にあり、靴を履いたまま入ることができる収納スペース。 |
S | サービスルーム(納戸) | 建築基準法上の採光や換気の基準を満たしていないために 「居室扱い」できない部屋。納戸。 |
PS | パイスプペース | 給水管、排水管、ガス管などパイプ設備が通っているスペース。 |
外廊下と内廊下のタイプ別特徴
共用廊下は大きくわけて、外廊下と内廊下の2つのタイプがあります。それぞれ特徴が異なるため、間取りとあわせて確認しておくとよいでしょう。
外廊下タイプのマンション
廊下が外部にあるタイプで以下のようなメリットがあります。
- 廊下側の居室の窓とバルコニー側の窓を開ければ、部屋の中を風が通り抜けやすくなります。
- 廊下側の居室に窓がある場合は、外の光が入るので明るさが確保されます。
内廊下タイプのマンション
ホテルなどのように、廊下部分も室内になっているタイプです。内廊下タイプは、断熱性が高い、プライバシーが守られやすいなどのメリットがあります。
間取り情報の集め方
インターネット
間取り情報を手軽に集めるにはインターネットを活用するのが便利です。さまざまな物件をチェックすることができますし、条件外の物件を含め、いろいろと調べて比較することで、希望するエリアの相場などもわかってきます。間取り情報を集めるには、次の3つのサイトが便利です。
- デベロッパーサイト
お気に入りのデベロッパー(マンション開発業者)があるなら、まずそのサイトを見てみましょう。物件情報だけでなく、周辺情報やインテリア関連の情報なども充実しています。 - 不動産専門検索サイト
複数のデベロッパーのマンションが登録されており、エリアや販売価格などの条件ごとにたくさんの物件を比較するのに役に立ちます。 - SNS(LINE・X・Instagram・YouTubeなど)
住宅や不動産業界の企業・ブランドが運営するSNSアカウントをフォローすることで、物件の最新情報などを得ることができます。
新聞広告・折り込みチラシ
お住まいの地域でマンションをお探しならば、新聞の折り込みやポスティングされるチラシ広告にも注目しましょう。
書籍・雑誌
住宅情報の月刊誌やマンション関係の書籍などからも、間取りに関する情報を得ることができます。書籍には詳しい情報が掲載されているので、参考になるでしょう。
モデルルーム
間取りの全体的なイメージをつかむにはモデルルームに足を運ぶのが一番です。実際の部屋の広さを体感できるだけでなく、外観の模型なども把握できるので総合的に判断することができます。できれば数回足を運んで、疑問点はスタッフに説明してもらうといいでしょう。
2.部屋別・間取りのチェックポイント
モデルルーム訪問時などに確認したい、間取りのチェックポイントを空間別にまとめました。ご自分だけでは判断できない点は、スタッフに問い合わせ、疑問を残さないようにしたいものです。
場所 | 間取りのチェックポイント |
---|---|
玄関 |
|
キッチン |
|
ダイニング |
|
浴室・トイレ |
|
寝室 |
|
リビング |
|
3.ライフステージ別・間取りに求められるもの
ライフステージにより、住まいに求めるものも変化していきます。ここではライフステージ別のおすすめの間取りをご紹介しましょう。
DINKS(夫婦共働き)の住まい
DINKSの住まいでのポイントは寝室とリビングです。帰宅時間や家での仕事の有無などを考えて、各々の個室にベッドがあるプランがいいのか、寝室は一緒のプランがいいのかを選びましょう。リビングはゆったりとくつろげるように、少し広めの空間がおすすめです。
子育て期の住まい
乳幼児がいる住まいで大切なのは、いつでも赤ちゃんや子どもたちに目が届くことです。キッチンは、リビングなど子どもたちがいる場所に面した対面型がおすすめ。ベビーベッドを置く場所があるのかも大切なチェックポイントです。
思春期の子どもがいる住まい
子どもたちが大きくなると独立した子ども部屋が必要になります。とはいっても、部屋に閉じこもってばかりいるようだと心配ですね。子ども部屋に行く時に必ずリビングを通るような間取りだとさりげなく意思の疎通が図れていいですね。
子どもが独立後の住まい
個室にこだわらずにリビングや寝室が広々としたタイプが理想ですね。寝室とトイレも近い場所にある方がよいかもしれません。リビング・ダイニングは独立した子どもたちが遊びに来た時に対応できるような広さがほしいものです。
今回は、間取り図の基礎知識と、間取りのチェックポイント、ライフステージ別の間取りについて紹介しました。マンション探しの際には、ぜひこの記事を参考にして間取りを確認してみてくださいね。