新たなワークスタイルが後押しする2つの拠点に住む暮らし
コロナ禍により、新たなスタイルの働き方が私たちに浸透しました。通勤時間を考慮する必要がないリモートワークの広がりにより、これまでは実現が難しかった「職場から離れた場所に暮らす」ことや、「都会と地方の2カ所に住む」といったことが可能になったのです。
今回はそんな「二拠点居住(2つの拠点に住む暮らし)」に焦点を当て、どれほどの人が関心を持っているのか、また、その理由について調査したアンケート結果もご紹介します。更に、二拠点居住のメリットや実現までの手順についても触れていきます。
1.二拠点居住に関するアンケートでわかったこと
「二拠点居住」について2021年12月にアンケートを実施しました。
その結果、「現在『二拠点生活』をしている。」が全体の7%、「現在『二拠点生活』はしていないが、興味がある。将来してみたい。」が49%となり、二拠点居住をしているもしくは、興味があり、将来してみたいという意見が合わせて半数以上を占めることがわかりました。
年齢別に見ると20代~50代では二拠点居住をしている、または興味がある人を合わせるといずれも半数以上となりました。
特に30代では全体の69%を占めており、新しいワークスタイルや暮らし方をポジティブにとらえ、柔軟に対応しようとしている様子が伺えます。
また50代においては、すでに二拠点生活をしている人が全体の15%に上り、他の年代よりも積極的にこの暮らし方を取り入れているようです。
二拠点居住をしている・または興味がある理由
すでに二拠点生活をしている人・興味がある人にその理由を聞いてみると、最も多かった回答は「自然に触れて癒されたい。」。続いて「仕事とプライベートのメリハリをつけたい。」、更には「田舎や郊外に住むことに憧れがある。」という回答結果になりました。
自然が好きで、都会と地方でON・OFFを切り替えながら生活したいという理由で、二拠点居住を望む方が多いようです。
ONには仕事にも普段の生活にも便利な都会で、OFFには自然に囲まれたのどかな環境で過ごせば、よい気分転換になるでしょう。更に、これまではトレードオフの関係だった特長の異なるふたつの暮らし方を両方とも楽しむことができるのは、とても有意義で贅沢なものだと感じます。
二拠点居住に興味がない理由は?
逆に興味がない人に理由を聞くと「現状や都会の生活に満足している。」「費用面で不安がある。」という2つに絞られるようです。
2.これからの二拠点居住で可能になること
コロナ禍以前にも、「二拠点居住」という暮らし方はありました。しかし当時は、「平日は都会・週末は地方で過ごす」という「週末移住」や、寒い時期・暖かい時期で住まいを変えるような「季節移住」の形が一般的でした。
リモートワークが浸透し、地方にいても普段と同じように働けるようになったため、これからの二拠点居住ではどの期間にどちらで過ごすか、バランスを調整しやすくなりました。
つまり都会での便利な暮らしと、地方での穏やかな暮らしのいいとこ取りをしながら、双方での暮らしをより楽しむことができるようになったのです。
また二拠点居住は、これまでの暮らしが大きく変わりすぎないというメリットがあります。
現在の住まいをキープしながら新たに別の地域に住まいを持つ二拠点居住は「転居」するわけではないため、転出届などの行政手続きが不要で、実現の際、それほど手間がかからないのではないでしょうか。
3.二拠点居住を実現させるために考えるべきこと
では、実際に二拠点居住を始めるためには、どのようなことを考えておく必要があるのでしょうか。
目的を明らかにする
なぜ二拠点居住をするのか、その目的を明らかにしましょう。
仕事とプライベートのメリハリをつけるためなのか、季節に合わせて快適に過ごすためなのか、趣味をより楽しむためなのか、人によって目的はさまざまです。
その目的に合った地域を選びましょう。
どんな場所に住みたいのか
二拠点目をどこにするのか、具体的にイメージしてみましょう。絞り込むにあたって、たとえば以下のような条件を確認しておくと安心です。
- 現在住んでいるところからのアクセスはどうか
- 買い物施設や医療機関など生活利便施設が近くにあるか
- 公共サービスはどの程度整っているか
住みたいと思える物件があるか
気に入った住居があるかどうかは大きなポイントとなります。候補地を絞り込んだら、希望の物件があるかも確認しましょう。
生活費はどれくらいプラスされるか
二拠点で暮らすようになると生活費は確実に増えてしまいます。概算でもどれくらいプラスになるのか見積もっておきましょう。
その土地の生活スタイルは自分に合っているか
都会と地方では人々の考え方や文化も違い、生活スタイルが変わることも多々あります。特に地方で暮らしたことのない方は戸惑うこともあるかもしれません。
できれば候補地に足を運び、数日滞在してその土地の雰囲気や環境を体感してみることをおすすめします。
新しいワークスタイルの浸透によって、いいとこ取りの二拠点居住が実現しやすくなりました。これからの生活をより充実したものにするためにも、具体的に検討してみてはいかがでしょうか。