新しい時代の感性が集まる町として、
注目を集める美殿町。
地域を愛する商店の方々に、
お話をお聞きしました。


高齢化が進む中、ふと思ったんです。
このままでは10年、15年後には3、4軒しか残らない。
今から何かしなくては、という思いに駆られました。
かつては、美殿町商店街はイベントといえば夏祭りぐらいという普通の商店街でした。高齢化が進む中、ふと思ったんです。このままでは10年、15年後には3、4軒しか残らない。今から何かしなくては、という思いに駆られました。まず考えたのが、「美殿町の名前を知ってもらおう!」ということ。すぐにMAPづくりを始め、4人で2週間、200店舗を歩き回り、みんなを熱心に口説きましたよ。完成したMAPはマスコミにも配ったり、再認知に10年もかかりました。
本来、美殿は職人が多いことが特徴だったため、「つくるがある町」をコンセプトに魅力的なまちづくりに取り組むことにしました。そしてに2013年、うちの空きビルを活かした「まちでつくるビル」が誕生しました。
まちでつくるビル
デザイナーやイラストレーターなどクリエーターたちが集まり、アトリエやオフィスとして使っています。商店街の中にある遊休不動産をリノベーションすることで、活気を取り戻しはじめていると思います。また古本市や着物市、ガス灯祭りなどイベントも大盛況。子どもに人気なのは、ハロウィン。10月最終土曜日の夕方、ぜひご家族で美殿に遊びにいらしてください。

美殿町商店街(160m/徒歩2分)
「まちでつくるビル」は、美殿町の空きビルをリノベーションしたシェアオフィス。岐阜で活躍するクリエイターたちが入居中。

『美殿町商店街振興組合理事長』
「安田屋家具店」店主:鷲見浩一氏
創業110年の岐阜の老舗家具専門店「安田屋家具店」四代目を務めながら、商店街の理事長もこなす鷲見氏。組合員さんのイベントのサポートや商店街主催の祭りの中核を担う。空き店舗の取り組みでは、自身が魅力的な借り手を探したり、貸主に家賃交渉をしたりすることも。


通りからもよく見える、大きなハンギングチェアが目印の安田屋家具店。「使い捨てでない想い出を刻む本物の家具。」が店のモットー。2店舗目であるネットショップ「BASE店」では大切な家具を修理して使えるようメンテナンス用品を中心に展開。


美殿町は老舗と新しい世代が
いい感じで共存していて穏やかです。
「徒然舎」が美殿町に移転してきたのは5年前。「つくるがある町」がスタートして「つくる市」などのイベントで歩行者天国やワークショップなどが開催され、通りが楽しく変化してきた頃でした。商店街の方々に支えていただいて、2018年から「美殿町本通り」というブックイベントを始めました。美殿町は老舗と新しい世代がいい感じで共存していて穏やか。治安もいいです。さまざまなイベントが、店や町を知るきっかけになれば嬉しいです。
『徒然舎』
店主:深谷由布氏
優しい笑顔と話口調が印象的な深谷さん。「とにかく本が好き」とあって職歴は出版社や図書館など。岐阜には本の店が少なくて、それなら自分が来たくなる店を作ろうと、徒然舎を立ち上げた。徒然なるままに、気ままに立ち寄ってくれればが、店名の由来。


美殿町商店街にある古本屋。絵本、暮らしの本、郷土の本、詩歌・小説、絶版漫画、自然の本、映画や音楽の本、さらには哲学や歴史などの専門書まで、幅広い品揃えが魅力です。特に美術書、学術書、専門書に力を入れています。

ものづくりが好きと話すご夫婦が目指すのは、
「おとなの休憩所」。
以前、イベント出店時に、美殿で店をやらないかと誘われたのがきっかけでオープンした「さなえ食堂」。ものづくりが好きと話すご夫婦が目指すのは、「おとなの休憩所」。食を通して、大人が居場所を持ったり、同世代を繋ぐ場になったり、またこの店が美殿に来る動機付けになってくれればと思います。
カレーに添える福神漬けは「美殿屋漬物店」さんのものなのですが、美味しいから寄っていこうと、発展するのがいいですね。
『さなえ食堂』
店主:古田早苗氏/古田基志氏
さなえ氏はフラワーコーディネーター、陶芸などの経歴を持ち、子育てしながらも、同じ「ものづくり」という観点からカレーを始めた。ご主人のモトシ氏はアパレル出身で、世界を飛び回るバイヤー時代など幅広い経験を経て、現在「古田企画事務所」主催。


赤色の外観が、パッと目につく「さなえ食堂」。何度もリピートしたくなる絶品ドライカレーやインパクト大の金華山カレーをはじめ、カレーパンも大人気。9種スパイスが織りなす香りやや黄色いターメリックライスが食欲をそそる。メニューは全てテイクアウトOKなのも嬉しい。

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