場所や周囲の環境、価格など、新しいマンション探すときに検討しなければならないことはたくさんありますが、暮らしていく上では「間取り」もまた大切な要素ですね。入居してから「なんだか住みにくい」ということがないように、次の4つのポイントに絞ってマンションの間取りについてご紹介していきたいと思います。
1.間取りのチェックに欠かせない基礎知識
間取り図の基本的な読み方
間取り図を見ながら新生活に思いを巡らすのはとても楽しいことですね。間取り図自体はとてもシンプルなものですが、そこに示された情報をしっかりと読み取ることが部屋選びの第一歩になります。
部屋の向きを確認しましょう
最初にチェックしたいのは部屋の向きです。方位記号はNの方が北側、その反対が南側になります。採光が十分な南向きの間取りは人気も集中します。西向きの居室は、夏に西日が射し込み、室内の気温が上がりやすいため、どの程度陽が射すのか、モデルルーム見学時などにスタッフに聞いてみるといいでしょう。
部屋の広さを確認しましょう
メインの居室の広さは「◯畳」「◯平米」などの単位で表されています。「畳」は畳1枚分の広さなのでイメージしやすいですが、「平米」はちょっと分かりにくいですね。1畳は1.62平米という基準があるので、居室の平米数を1.62で割ることで何畳分の広さなのかが分かります。
部屋のタイプを知りましょう
「2DK」「2LDK」などと呼ばれる部屋のタイプを知ることで、自分の希望にぴったりの間取りが見つけやすくなります。ここでは、少し混同しやすい部屋のタイプについて説明します。
1Kと1Rの違い
キッチンと居室が扉で仕切られている間取りは1K、仕切られていない場合は1Rになります。それぞれが独立した空間になっているかどうかがポイントです。
1K(キッチンと居室に仕切あり)の例
ライオンズ東京菊川ミレス(分譲済み)
1R(キッチンと居室に仕切り無し)の例
ライオンズ東京三ノ輪ミレス(分譲済み)
DKとLDKの違い
DKは「ダイニング・キッチン」、LDKは「リビング・ダイニング・キッチン」のことです。
DK(ダイニング・キッチン)とは、1室に台所と食堂の機能がある部屋のことであり、LDK(リビング・ダイニング・キッチン)は、1室に居間と台所と食堂の機能がある部屋です。
不動産会社によって表記の差がないように「公益社団法人首都圏不動産公正取引協議会」により必要な広さの基準が定められています。
DK及びLDKの最低必要な広さの目安
居室数 | DK | LDK |
---|---|---|
1部屋 | 4.5畳 | 8畳 |
2部屋以上 | 6畳 | 10畳 |
1DKの例
ライオンズ東京三ノ輪ミレス(分譲済み)
1LDKの例
ライオンズ東京菊川ミレス(分譲済み)
LDK+Sの「S」とは
マンションの間取りを調べると、3LDK+Sや、3SLDKのような表記をみることがあります。この「S」とはサービスルームのことです。サービスルームとは、採光や換気などが建築基準法上の居室の基準を満たしていない部屋のことです。洋服、趣味の道具、書庫など収納スペースとして活用することはもちろん、居室として使用しても特に問題はありません。
2LDK+Sの例
ライオンズ嵯峨天龍寺若宮(分譲済み)
部屋の呼称などをチェックしましょう
間取り図には略称で表示されているので、どんな空間なのかわからない場合もありますね。下の一覧を参考にして間取り図を読んでみてください。
略称 | 部屋の呼称 | 部屋の特徴 |
---|---|---|
LDK | リビング・ダイニング・キッチン | 居間、食事室、台所が仕切りのない1つの部屋になっている空間。 |
WIC | ウォークインクロゼット | 歩いて入れるような広さを持つ大型収納スペース。 |
WTC | ウォークスルークロゼット | 出入り口が二つあり、歩いて通り抜けできるような大型収納スペース。 |
SIC | シューズインクローク | 主に玄関の隣にあり、靴をはいたまま入ることができる収納スペース。 |
S | サービスルーム | 建築基準法上の採光や換気の基準を満たしていないために「居室扱い」できない部屋。納戸。 |
DEN | 書斎 | 読書や趣味、仕事のためにこもれるような小さな部屋。明確な定義はなく、サービスルームをDENと表記する場合もある。 |
UB | ユニットバス | 天井、壁、床、浴槽が基本的に同一素材で作られた組み立て式になっており、一体感のある浴室。 |
PS | パイスプペース | 給水管、排水管、ガス管などパイプ設備が通っているスペース。 |
共用廊下で分かる間取りのタイプ
共用廊下は大きく分けて外廊下、中廊下の2つのタイプがあります。それぞれ特徴が異なるため、間取りとあわせて確認しておくとよいでしょう。
外廊下タイプのマンション
廊下が外部にあるタイプで以下のようなメリットがあります。
- 廊下側の居室の窓とベランダ側の窓を開ければ、部屋の中を風が通り抜けやすくなります。
- 廊下側の居室の窓に窓がある場合は、外の光が入るので明るさが確保されます。
中(内)廊下タイプのマンション
共用廊下の両サイドに住居があるホテルなどと同じタイプです。中廊下タイプは、断熱性が高い、プライバシーが守られやすいなどのメリットがあります。
間取り情報の集め方
インターネット
間取り情報を手軽に集めるにはインターネットを活用するのが一番です。様々な物件をチェックすることができますし、条件外の物件を含めていろいろと調べて比較することで、希望するエリアの相場なども分かってきます。間取り情報を集めるには、次の3つのサイトが便利です。
- デベロッパーサイト
お気に入りのデベロッパー(マンション開発業者)があるならまずそのサイトを見てみましょう。物件情報だけでなく、周辺情報やインテリア関連の情報なども充実しています。 - 不動産専門検索サイト(スーモやホームズなど)
複数のデベロッパーのマンションが登録されており、エリアや価格などの条件ごとにたくさんの物件を比較するのに役に立ちます。 - 総合情報サイト(ヤフーやニフティなど)
検索エンジンを提供する企業やプロバイダーが運営している総合情報サイトでは、住まいに関わる情報を掲載していることがあるので、チェックしてみましょう。
新聞広告・折り込みチラシ
お住まいの地域でマンションをお探しならば、新聞の折込みやポスティングされるチラシ広告にも注目しましょう。
書籍・雑誌
住宅情報の月刊誌やマンション関係の書籍などからも、間取りに関する情報を得ることができます。書籍には詳しい情報があるので参考になるでしょう。
モデルルーム
間取りの全体的なイメージを掴むにはモデルルームに足を運ぶのが一番です。実際の部屋の広さを体感できるだけでなく、外観の模型なども見られるので総合的に判断することができます。できれば数回足を運んで、疑問点はスタッフに説明してもらうといいでしょう。
2.部屋別・間取りのチェックポイント
モデルルームに訪問したときなどに確認したい、間取りのチェックポイントを空間別にまとめました。ご自分だけでは判断できない点は、スタッフに問い合わせ、疑問を残さないようにしたいものです。
場所 | 間取りのチェックポイント |
---|---|
玄関 |
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キッチン |
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ダイニング |
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浴室・トイレ |
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寝室 |
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リビング |
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3.ライフステージ別・間取りに求められるもの
結婚から始まる「家族」の暮らし。子供が誕生した場合は、その成長とともにライフステージは変わっていきます。ライフステージにより、住まいに求めるものも変化していきます。ここではライフステージ別の理想的な間取りをご紹介しましょう。
DINKS(夫婦共働き)の住まい
DINKSの住まいでのポイントは寝室とリビングです。帰宅時間や家での仕事の有無などを考えて、各々の個室にベッドがあるプランがいいのか、寝室は一緒のプランがいいのかを選びましょう。リビングはゆったりとくつろげるように、少し広めの空間がおすすめです。
ライオンズ東京三ノ輪ミレス(分譲済み)
寝室を二人一部屋にして、もう一部屋はLDKとの間仕切りを開けて広いリビングとして使用することもできます。
子育て期の住まい
乳幼児がいる住まいで大切なのは、いつでも赤ちゃんや子供たちに目が届くことです。キッチンはリビングなど子供たちがいる場所に面した対面型がおすすめ。ベビーベッドを置く場所があるのかも大切なチェックポイントです。
ライオンズ守口ブランズシティ(分譲済み)
対面式キッチンに広いリビング・ダイニング。
思春期の子供がいる住まい
子供たちが大きくなると独立した子供部屋が必要になります。とはいっても、部屋に閉じこもってばかりいるようだと心配ですね。子供部屋に行く時に必ずリビングを通るような間取りだとさりげなく意思の疎通が図れていいですね。
ライオンズ長津田グランリーフ(分譲済み)
洋室3と4がリビング・ダイニングに接続
子供が独立後の住まい
この世代の理想は個室にこだわらずにリビングや寝室が広々としたタイプです。寝室とトイレも近い場所にある方がいいですね。リビング・ダイニングは独立した子供たちが遊びに来た時に対応できるような広さが欲しいものです。
ライオンズ嵯峨天龍寺若宮(分譲済み)
リビング・ダイニングがゆったり13.5畳
4.マンションの間取り例
マンションの間取り例として具体的に間取り図をご紹介します。慣れてくれば間取りを確認するだけで、その部屋での生活を想像できるようになります。まずはたくさんの間取りを見てみるといいですね。
ライオンズ立川錦町レジデンス(分譲済み)
この間取りはマンションに一般的に見られる田の字型の間取りです。田の字に区切られたリビング・ダイニング・キッチンは縦長になり、縦長リビングと呼ぶこともあります。3LDKのこの部屋には、納戸はもちろんのこと、布団専用のクロゼットや様々なレイアウトができる多目的棚など収納の工夫がいっぱい。荷物が多い家族もゆとりを持って暮らせそうですね。
ライオンズ横濱鴨居ザ・リゾーティア(分譲済み)
広々とした横長リビング・ダイニングのある間取りです。キッチンはリビング・ダイニングを見渡せるオープンカウンタータイプです。この部屋を中心にした明るく楽しい食事や家族との団欒が楽しめそうですね。
ライオンズ川越プレミアフォート(分譲済み)
約11メートルのワイドスパンの間取りです。コの字型のキッチンには窓があり、照明だけでなく自然光のもとで料理を作ることができます。玄関から続く廊下の突き当りには11.5畳のリビング・ダイニング。二面に窓があるこの部屋は解放感たっぷりな明るい空間になるでしょう。きっと、休日もゆっくりと家で過ごしたい気分になりますよ。
ミッドマークス円山
三方向に窓がある角住戸の間取りです。一日中、太陽が部屋を明るく照らしてくれるでしょう。4つの個室と家族が集う明るく開放的なリビング・ダイニング・キッチン。そして、プライベートの空間と家族の空間のバランスが取れた4人家族でも余裕の4LDKです。
ライオンズタワー目黒川(分譲済み)
タワーマンションの3LDKの間取りです。廊下側(図面上部)には窓がなく、外側(図面下部)には眺望のよい窓があるのが、タワーマンションによく見られるタイプの間取りです。2つの洋室とリビング・ダイニング・キッチン、そしてバスルームからはバルコニー越しに、素晴らしい眺望を楽しむことができるでしょう。都会の夜景を眺めながらお風呂に入ることができるなんてタワーマンションならではの暮らしを楽しむことができそうですね。
ライオンズ三ノ輪ミレス(分譲済み)
コンパクトマンションと呼ばれるマンションの間取りです(床面積が30~50m2前後で、1LDK~2LDKを中心としたマンションを一般的にコンパクトマンションと呼びます)。 部屋数が少ないので一人暮らし向きですが、バス、トイレが別々に設置されており、収納も充実しているので、ゆったりとしたスペースで、ゆとりのある暮らしを送ることができるでしょう。
今回は、間取り図の基礎知識と、間取りのチェックポイント、ライフスタイル別のおすすめの間取りを紹介しました。マンション探しの際には、ぜひこの記事を参考にして間取りを確認してみてくださいね。