There’s no place like home! (おうちが一番!)

映画「オズの魔法使い」主人公ドロシーがカンザスの我が家へ戻るときの呪文です。竜巻で家ごと飛ばされてから冒険を重ねたドロシーは、この呪文とともに最後にようやく我が家に帰ることができました。

「おうちが一番!」と思えるには、住まいそのものが大事なのは言うまでもありません。しかし、住まいがどのような環境に建っているのかもとても大事なことだと思います。いい住まいと自分に向いた環境。「オズの魔法使い」ではないですが米国風に表現するとこの2つが合わさることで、“ホームスイートホーム(愛しのわが家)”が手に入るのかも知れません。

ここでは、自分にとって住みやすい街を見つける時に考えるとよいことについてご案内します。ご自分のライフスタイルについて考えたり、将来どのような暮らしをしているのかを思い描いてみたり。そんなことが、住みやすい街を見つけることにつながると考えています。

ライフスタイルを考える

住みやすい街を見つける。そのためにまず、ご自分がどんなライフスタイルを送っているのか、または、送りたいのかをイメージしてみてはいかがでしょうか。そして、そのライフスタイルを実現するには、具体的にどんなことが必要なのか確認してはいかがでしょう。理想の暮らし方ができる街は、自分にとって住みやすい場所になるかと思います。

まずは自分の理想のライフスタイルを思い描いてみる

ライフスタイルとは実際には何を意味した言葉でしょう。ライフスタイルを持たないひとはいません。というのは、どなたでも自分なりの生活があるからです。住む街を決めようというとき、まずは、どんな生活が最も心地よいかを考えることから始めてみるとよいかもしれませんね。

理想のライフスタイルで過ごすには何が必要か確認する

ジョギングが趣味なら走っていて気持ちのいい道が近くにあることで毎日が充実するはず。通勤前にちょっと汗を流すと爽快な気分で一日が始まりそうですね。

愛犬と過ごす時間を大切にするなら、ドッグランや散歩コースの有無を条件に場所さがし、というのもいいでしょう。ドッグランがあれば動物病院やペットサロン、ペットショップなどが充実していることも期待できます。

たとえばレトリバーを愛するあまり緑の多い川沿いに引っ越してしまったレストラン経営者もいます。レトリバーたちは小さな流れに飛び込んでは大喜び。家族もそれで満足しているとのことでした。市街地で同じような環境さがしは難しいかもしれませんが、理想のライフスタイルを送れるかどうかで住む街を選んだ結果、家族の幸福度が向上したいい例といっていいでしょう。

外食が趣味という方ならレストランの充実ぶりで住む場所を決める方法もあります。会社帰りにちょっと一杯、お酒をたしなんだり、カフェでほっこりというのも捨てがたい魅力です。店は人なりと言って、料理がおいしいことも大事ですが、オーナーやシェフといい関係が結べると住む楽しさにつながりますね。料理のバリエーションは多いに越したことはありません。色々な料理を楽しめるのはもちろんのこと、レストランや飲み屋の訪問客で賑わっている街には新しいお店が増えやすく、また違う味を楽しむことができるといういい循環が生まれるでしょう。

駅は街を表す顔のようなもの。駅前の雰囲気が自分の好みにあっているかどうかも街を選ぶときのポイントになるのかもしれません。*不動産サイトアットホームが行ったアンケート調査によれば、「住まい選びの際、駅前は大事ですか」に「はい」答えた人は73.8%という結果となりました。

また、同じ調査で、「好きな“駅前”の条件は何ですか」という問いに対しては下記の事柄があがりました。主に買い物や、飲食の便利さをあげる意見が多いようですが、もちろん自分の理想のライフスタイルによって必要なものも変わってきます。

*不動産情報サイト アットホーム調べ
20~60代の東京都民に聞く「好きな“駅前”」調査
回答サンプル数……620サンプル
調査期間……2016年1月26日~1月27日

ライフプランを考慮する

住みやすい街を見つけるとき、どのような暮らしをしたいかという理想のライフスタイルだけでなく、家族構成などがどのように変化していくのかというライフプランを考慮することも重要です。

家族構成が変われば、街に求めるものも変わります。今は必要ないと感じていても、自分が将来どのような暮らしをしていくのかを見越しておくのは、街を選ぶのに必要なことだと思います。

一人暮らし

一人暮らしの場合、住みやすい街を見つけるのは比較的楽かもしれません。自分の判断で決められることが多いからです。そのときの尺度は、職場に近い、趣味の生活が送りやすいなどいくつもあると思います。街が持っている機能を生活に役立てるという考えかたに立てば、24時間スーパーが近くにあるなど、利便性を重視した街選びをするのもいいかもしれませんね。

DINKS・ファミリー

子どもがいない共働き夫婦、いわゆるDINKSが住みやすい街を見つけるには、自分たちの暮らしが、今後、どのように変化するのか見越しておく必要があると思います。夫婦二人だけの暮らしでは特に気にならなかったことが、子どもが生まれることで、重視するポイントに変わってくることもあるでしょう。

不動産情報サイト アットホーム調べ
“子供ができる前に住まいを購入した夫婦”に聞く「住宅購入の実態」調査
回答サンプル数……353サンプル
調査期間……2015年2月20日~2月25日

子どもがいる家庭にとっては、利便性より生活環境、つまり子育てに適した場所であるかが重視するポイントになってきます。特に教育では保育園や幼稚園、校区内の学校の雰囲気を確認することもいいかもしれませんね。

また家から歩いていける範囲に子どもが安全に遊べる公園があることも大事なことです。子どもが小さいうちはブランコや滑り台のような遊具がある公園があるといいですね。野球やサッカーができる少し広いグラウンドがあれば、子どもらしく思い切り体を動かして遊ぶことができます。

子どもがある程度大きくなり、一人で外出するようになれば、環境も重視したいポイントになります。街灯が整備され、人通りも多く夜でも比較的安心して歩けることや、歩道がしっかりと完備されていて安全に歩けることは大切です。地域の情報は現地に足を運べばいろいろ手に入ります。一日探偵になったつもりで楽しみながら調べてみませんか。

子どもが独立した夫婦

子どもが独立した後の夫婦だけの生活は、同時にセカンドライフの始まりでもあります。若い頃に戻ったような気分になれることも多いのではないでしょうか。

子どもがすでに独立した夫婦が、住みやすい街を見つける時に考えるとよいことは、交通など利便性、そして人生を送るのに理想の場所にこだわること。趣味の園芸や農作業に打ち込めたり、マリンスポーツへのアクセスがよかったり、ゴルフ場が近くにあったりするなどの要件を考えるといいでしょう。地方自治体の中には、シニア向けに公共交通機関の運賃無料サービスを行っているところもあるので、市街地を選択するのもよい考え方かもしれません。住む場所選びという心躍る経験はいくつになっても楽しいものです。選択を思いきり楽しむことができれば最高ですね。