人生の3大資金は、「教育資金」「老後資金」「住宅資金」です。なかでも住宅は、「人生最大の買い物」と言われています。
住宅の購入にあたってさまざまな不安が頭をもたげる理由は、「住宅ローンの返済に追われて子どもの教育資金や自分たち夫婦の老後資金が不足するのでは?」と考えるからでしょう。
そうした漠然とした不安を解消して安心を手に入れるためには、「教育費は実際にはいくらかかりそうか?」、「老後の生活費はどれくらい必要か?」を自分の家計にあてはめて確認してみることが有効です。「教育資金」と「老後資金」がある程度わかると、「住宅資金」の輪郭が見えてきます。
そのプロセスの中で、将来の収入面、支出面で、おもに次のことを確認します。

収入面

  • 年収は今後どうなりそうか?
  • ボーナスは安定しているか?
  • 配偶者は働き続けるか?または、働きはじめるか?
  • いつまで働くか?
  • 退職金はいくらくらい期待できそうか?
  • 公的年金はいつから、いくらくらい期待できそうか?
  • 企業年金はいつからいつまで、いくらくらい期待できそうか?
  • 定年から年金受給が始まるまでの60歳代前半をどう過ごすか?
  • 親からの贈与や相続で住宅資金をもらえそうか?

支出面

  • 子どもの教育費がいつごろ、どのくらいかかるか?
    (公立学校中心で考えるか?私立学校中心で考えるか?)
  • 子どもが独立するのは親が何歳のときか?
  • 夫婦の老後の生活費はいくらくらい必要か?
  • 高齢期の医療費や介護費用の備えは大丈夫か?
  • 家計を見直して節約することはできないか?

家計を運営していく上での基本は、
毎年の収入-毎年かかる支出>0 です。

子どもの大学入学費用や結婚支援金、車の購入費などのように、特定の年にだけ発生する支出のうち、あらかじめ想定できる資金は、年月をかけて計画的に準備します。さらに、老後に向けての準備も少しずつコツコツとすすめる必要があります。
住宅ローンの返済を含めてこのことが実現できれば、将来も安心のマイホーム暮らしができるはずです。
老後も賃貸住宅に住みながら家賃を払い続ける場合と、マイホームを手に入れて一定期間で住宅ローンの返済を終える場合との比較も行い、リタイア後の収入と支出のバランスを確認することも必要です。

子どもの教育費

小学生にかかる教育費(公立・年間)

(単位:円)

平均 学年別
第1学年 第2学年 第3学年 第4学年 第5学年 第6学年
学習費総額 352,566 379,539 283,211 315,794 329,198 380,774 423,506
学校教育費 65,974 127,375 42,235 47,354 45,182 55,170 79,737
学校給食費 39,010 39,478 38,689 38,202 38,967 38,953 39,751
学校外活動費 247,582 212,686 202,287 230,238 245,049 286,651 304,018

出所:文部科学省「子供の学習費調査」/2021年度/2022年12月21日公開

中学生にかかる教育費(年間)

(単位:円)

公立
平均 学年別
第1学年 第2学年 第3学年
学習費総額 538,799 531,544 443,848 640,925
学校教育費 132,349 200,180 89,436 108,026
学校給食費 37,670 39,737 38,306 34,984
学校外活動費 368,780 291,627 316,106 497,915
私立
平均 学年別
第1学年 第2学年 第3学年
学習費総額 1,436,353 1,806,991 1,218,559 1,278,255
学校教育費 1,061,350 1,441,786 856,982 879,456
学校給食費 7,227 8,529 8,056 5,040
学校外活動費 367,776 356,676 353,521 393,759

出所:文部科学省「子供の学習費調査」/2021年度/2022年12月21日公開

高校生にかかる教育費(年間)

(単位:円)

公立
平均 学年別
第1学年 第2学年 第3学年
学習費総額 512,971 629,459 457,895 455,762
学校教育費 309,261 468,797 276,366 189,079
学校外活動費 203,710 160,662 181,529 266,683
私立
平均 学年別
第1学年 第2学年 第3学年
学習費総額 1,054,444 1,276,978 941,873 937,550
学校教育費 750,362 1,022,188 658,897 560,460
学校外活動費 304,082 254,790 282,976 377,090

出所:文部科学省「子供の学習費調査」/2021年度/2022年12月21日公開

大学生にかかるお金

(単位:万円)

学校納付費用 学校納付以外の学習費 仕送り 合計
国立 自宅 4年 243 52 - 294
下宿 243 52 490 784
私立(文系) 自宅 4年 441 52 - 493
下宿 441 52 471 964
私立(理系) 自宅 4年 601 52 - 652
下宿 601 52 471 1,124
私立(家政・芸術・体育・保健科) 自宅 4年 576 52 - 628
下宿 576 52 471 1,099
私立(医学・歯学系) 自宅 6年 3,356 77 - 3,434
下宿 3,356 77 707 4,141
私立(短大) 自宅 2年 231 26 - 257
下宿 231 26 236 492

(出所)

  • 「文部科学省令第十六号」(文部科学省)
  • 「私立大学等の令3元年度入学者に係る学生納付金等調査結果」(文部科学省)
  • 「令和2年度学生生活調査」(日本学生支援機構)

をもとに株式会社プラチナ・コンシェルジュ作成/2023年4月1日現在

大学の受験料(入学検定料)2022年度 入学者選抜

大学入学共通テスト(3教科以上受験) 18,000円
大学入学共通テスト(2教科以下受験) 12,000円
国公立大2次試験 17,000円
私立大(医歯学部等除く) 30,000~35,000円程度

出所:生命保険文化センター「ライフイベントから見る生活設計」/2023年4月1日現在

大学入学共通テストの成績通知を希望する場合、手数料800円を加えた18,800円、12,800円となる。
注:夜間生、フレックスなどコースによっては10,000円の場合もある。

大学受験から入学までの費用(住居別)

(単位:円)

自宅外通学 自宅通学
受験費用 254,000 253,300
家賃 66,700 -
敷金・礼金 235,300 -
生活用品費 320,700 -
初年度納付金 1,357,080 1,357,080
合計 2,233,780 1,610,380

出所:東京私大教連「2021年度 私立大学新入生の家計負担調査」/2022年4月6日発表

公的年金

1961年4月2日以降に生まれた男性、および、1966年4月2日以降に生まれた女性の厚生年金の支給開始は65歳からになります。国民年金も65歳から支給がはじまるため、60歳が定年の場合には、60歳から64歳までの5年間は無年金期間となります。
住宅ローンは、定年までに完済するのが理想です。しかし、定年を超えて住宅ローンの返済が続く計画にする場合には、退職金による繰上返済や、60歳台前半に勤労収入を得ることなども、あらかじめ検討しておいたほうがいいでしょう。

国民年金 厚生年金
加入する人は?
  • 自営業者、学生、主婦など
  • 20歳以上60歳未満の国内在住者
  • 会社員、公務員、教員など
  • 国民年金にも同時に加入する
老後に受け取る年金は? 老齢基礎年金 老齢基礎年金と老齢厚生年金
いくらくらいもらえるの?
(年額)
  • 最高で77.78万円(2022(令和4)年度価格)
  • 夫婦ともに満額を受け取れば155.56万円
    保険料納付済期間などによって異なる
  • 会社員の場合、平均額は65歳以上で男性約204万円、女性約131万円(基礎年金と厚生年金の合計、厚生労働省「厚生年金保険・国民年金事業の概況」/令和2年度)
  • 加入期間・生年月日や在職中の平均収入額(賞与含む)で個人差がある
何歳からもらえるの? 65歳から一生涯 支給開始年齢は、生年月日に応じて段階的に61歳から65歳へと引き上げられている
2022(令和4)年4月から、繰下げ受給が75歳まで選択可能となり、受給開始年齢は60歳~75歳の間で選択可能
(繰下げ受給の上限年齢が70歳から75歳に引き上げられるのは、2022(令和4)年4月1日以降に70歳になる1952(昭和27)年4月2日以降生まれの人)

出所:生命保険文化センター「ねんきん早わかり」抜粋/2023年4月1日現在