なにかと忙しい日常の中で、身体や気持ちをゆっくりと休めることができる時間の大切さを多くの人が感じていると思います。

リラックスした時間を過ごすには、寝室をくつろげる空間にしてみるといいかもしれません。しかし、そのために何をどう考えればいいのか分からない方もいるのではないでしょうか。

実は、寝室のレイアウトを考える際に、いくつか知っておきたいことがあります。そこで今回は、次の5つの面から快適な寝室作りのための情報をご紹介します。

  • 理想的な寝室とは?
  • 広さ別・置けるベッドや家具の目安
  • ベッドのレイアウトテクニック
  • くつろぎの寝室作りのために知っておきたいこと
  • ライオンズマンション・モデルルームの寝室レイアウト実例

寝室ってどんな空間? 
最初は、「理想的な寝室」について少しお話しましょう。

これが理想的な寝室

寝室は、しっかりとした睡眠を取ることで1日の疲れを癒やすための空間です。でも、それだけではありません。あなたが寝室を使う状況を思い描いてみてください。就寝前に読書をしたり音楽を聞いたり、おでかけの前には身支度を整えるための場所として使ったり、広さに余裕があるならパソコンを置いて趣味等のスペースとして使う場合もありますね。

リラックスする空間としての役割はもちろんですが、寝室には機能性や使いやすさも求められます。このことを忘れずにレイアウトすることが「理想的な寝室」への第一歩です。

とはいえ寝室の広さには限りがあるため、「理想的な寝室」を作るには、部屋の広さを考慮したレイアウトが大切です。 
部屋の広さ別に適切な家具のサイズと数を調べてみました。

広さ別・置けるベッドや家具の目安

寝室を使いやすくするためには、部屋の広さに合わせてベッドや家具のサイズを考える必要があります。ここでは寝室の広さ別にどのくらいのベッドや家具を置くといいのか、その目安をご紹介します。

6畳の寝室の場合

畳の大きさに多少の差がありますが、畳6畳分の部屋というと大体の広さは10平方メートルです。この広さですと、ベッドはシングルベッド2台かダブルベッド1台。クイーンサイズ1台までは置くことができます。

ダブルやクイーンサイズのように1台のベッドを置く場合は、頭側だけを壁につけて残りの3方向は50cm以上の歩けるスペースを確保するのが理想です。シングルサイズを2台並べる場合は、2台をつけてもいいのですが、ベッドの間も通れるだけのスペースを作っておくとお掃除の時など便利になります。

6畳の寝室の場合は、それほど余裕がないので、ベッド以外の家具は頭側の両サイドにまとめて配置するようにしましょう。サイドテーブルやミニチェスト、チェアなどなるべく場所を取らないものを選んでみてください。

8畳の寝室の場合

8畳になるとスペース的に余裕が生まれます。ベッドはシングルベッド2台かセミダブル2台、ダブルかクイーンサイズ1台までなら置くことができます。

ベッド周りのスペースを50cm以上確保するのは6畳の場合と同じですが、8畳ならばベッド以外にドレッサーや大きめのチェストなどを置くことができ、書斎コーナーなども作ることができます。ベッド1台のレイアウトならば、ベッドを少し片側に寄せることでもう一方にゆとりができるのでそのスペースを有効に使えます。

10畳の寝室の場合

キングサイズのベッドも余裕で置けるのが10畳の寝室です。テーブルとソファ2脚を置いてホテルの一室のようなくつろげる空間も演出できますし、多目的な使い方も考えられます。

10畳の寝室で難しいのは、どれくらい家具を置くかということ。多く置いてしまうと雑然としたイメージになりますし、あまり置かないと寂しい感じになってしまいます。ここは収納コーナー、ここはリラックスコーナーなど、スペースごとの役割を決めて家具を置くと使いやすいレイアウトになります。

次はいよいよレイアウトを決めていきます。 
ベッドの大きさや置き方から寝室のレイアウトを考えてみましょう。

これが基本!ベッドのレイアウトテクニック

理想の寝室にするには、まずベッドについて知ることが大切です。サイズの目安から置き場所まで、ぜひ知っておきたい基本的な知識をご紹介します。

ベッドサイズの目安

まず最初に、ベッドのサイズを知りましょう。ご家庭で使われる基本的なサイズは4種類。目安になるサイズは以下のとおりです。

シングル 幅90~100cm
大人1人用のサイズ
セミダブル 幅120cm
余裕を持って使える大人1人用
ダブル 幅140cm
少し狭い大人2人用
クイーン 幅160~180cm
余裕を持って使える大人2人用

他にホテルなどで使われるキングサイズ(幅180~200cm)などもあります。長さはどれも195cmが一般的です。ご夫婦の寝室ならばダブルベッドではなく、二人でも余裕をもって寝られるクイーンサイズがおすすめ。寝返りなどで目が覚めてしまう方には、シングルベッドを2つ並べて少し離すように置くスタイルがいいでしょう。

ベッド周りに必要なスペースは

寝室の機能性や使いやすさを考えて、ベッド周りのスペースを大人でもラクに通れるように50~60cmは確保するようにしましょう。

ベッドの横を壁面にぴったりとくっつけてしまうと、掛け布団がベッドに収まりにくくなります。掛け布団がベッドから落ちてしまう原因にもなります。ベッドは壁から10cmぐらい離して置きましょう。

収納のある寝室では扉の開け閉めできるスペースを確保することが大事です。開き扉タイプならば収納の前は90cm程度、引き戸や折戸タイプの収納では60cm程度は必要です。チェストなどを置く場合は70~80cmは空けてください。

ベッドの置き場所と窓との関係

ベッドの置き場所で気をつけることはいくつかありますが、頭側に窓があるレイアウトはできるだけ避けるようにしましょう。窓は断熱性が低く、外の暑さ寒さがそのまま伝わってきます。夜間は特に気温の変化が大きいので風邪をひいたり、眠りが浅くなったりする原因にもなります。

ベッドの横に窓がある場合でも、外からの音が気になったり、日の出が早い季節ではカーテンをしていても早朝から明るさを感じたりすることがあります。できるならばベッドは窓から少し離した方がいいと思います。

また、エアコンの風が身体に直接当たらないこと、トイレの音や廊下を歩く音などが気にならないかどうかも置き場所を決めるうえで考慮したいことですね。

掃除のしやすさを考えたベッドの置き方

寝室をレイアウトする時には、布団やシーツを整えやすいか、ベッド周りの掃除をしやすいかどうかも考慮しましょう。掃除のしやすさを優先的に考えるならば、頭側だけを壁につけて残りは60cm以上の通路スペースにするのが理想です。ベッド周りには、余計なものをなるべく置かないようにしましょう。お掃除がだいぶ楽になりますよ。

さて次は、寝室を本当の意味でくつろぎの空間にするためのヒント集です。

くつろぎの寝室作りのために知っておきたいこと

さて、レイアウトが決まったらあともう少し。ここでは寝室が誰にとってもくつろぎの空間になるためのヒントをまとめてみました。

照明は光がやわらかなタイプを

照明は寝室で大切な役割を果たします。寝る前の時間は、緊張をほぐし、充実した睡眠をとるための大切な時間です。心身ともにリラックスするためには、明るすぎる照明ではなく、光がやわらかなタイプを選ぶようにしましょう。

一般的に天井につけるシーリングライトは寝る時に直接光が目に入ってしまうのであまりおすすめできません。暖色でやわらかい電球色のもの、シェードなどで光が包まれているもの、壁についた間接照明などいくつかを組み合わせて全体的に落ち着いた感じの空間を作り出しましょう。

基本色は落ち着いたアイボリーやベージュに

ホテルの部屋などが参考になりますが、寝室の基本色には落ち着いたカラーが最適です。おすすめしたいのはアイボリーやベージュなど。茶色や青、ピンクなども薄い色ならば寝室にぴったりで、自然とリラックスできます。

赤や紫など刺激的な色は興奮作用もあるので避けるようにしましょう。ただ小物などにワンポイント的に使うのならばそれほど問題はありません。

快適な眠りのために香りや観葉植物も

快眠の効果が注目されているアロマテラピー。植物に由来した香りが脳を落ち着かせて、疲れた体や心を癒やします。ラベンダーや柑橘系オイルの代表ともいえるオレンジスイートなどが特におすすめです。寝る1時間ほど前にハンカチなどにアロマオイルを数滴たらして枕元に置いておくだけで心地よい眠りが訪れます。個人的に苦手な香りというのもあるので、試してみて合わないと思ったら自分にあった香りを探してみるといいでしょう。

また、観葉植物にもリラックス効果が期待できます。やさしい色合いで曲線がやわらかなものを選んで置いてみましょう。植物には湿度調整の効果や空気の清浄作用もあります。

夏の暑さには輻射熱対策を

夏の暑さ対策としてぜひ知っておいてもらいたいのが「輻射熱(ふくしゃねつ)」です。たとえば直射日光で高温になったバルコニーの熱が、近くの窓ガラスを温めます。この窓ガラスからさらに室内に輻射熱が放射され、床や壁などに熱が蓄積されると、室内は蒸し風呂のような暑さになってしまいます。

そんな輻射熱を和らげるためには、昼間でもなるべくカーテンは閉めたままにしておきましょう。窓に遮熱フィルムを貼ったり、窓の外側にすだれや、よしず、日よけシェードを取り付けたりするのも効果的です。バルコニーでつる植物を育てて支柱やネットに絡ませ、緑のカーテンを作ってみるのもいいでしょう。いずれにしても、日中に窓や壁を暖めないことが夏の暑さ対策の基本になります。

寒さ対策には遮光カーテンや加湿器の利用を

マンションは気密性が高いのですが、それでも冬には寝室で寒さを感じることがあります。先にも書きましたが、窓際にベッドの頭側を配置しないようにしましょう。冬の冷気の多くは窓からのものです。遮光タイプのカーテンは熱を逃しにくいので暖房効率が上がります。結露の防止にもなるのでおすすめです。

また、湿度が上がると体感温度が上がります。加湿器を使って湿度を上げると室温が同じでも暖かく感じるので試してみてはいかがでしょうか。

テレビを置く場合は

寝室にテレビを置く場合は、ベッドに寝転んだ時にも見やすくなるような位置に置くのがベストです。ベッドと同じぐらいの高さのチェスト等にテレビを置けば、ちょうどよくなります。ただし、テレビやパソコン、スマートフォンに使われているLEDから発せられる青色光のブルーライトは、安眠のために必要なホルモンであるメラトニンの分泌を抑えてしまいます。そのため、寝る前にテレビ等を見るのはあまりおすすめできません。

マンションでは寝室の下のお部屋も寝室ということが多いので、テレビやオーディオなどの音、歩行音など階下のお部屋への配慮を忘れないことも大切です。

では最後にライオンズマンションのモデルルームの中から 
参考になる寝室のレイアウトを見てみることにしましょう。

ライオンズマンションのモデルルームの寝室レイアウト例

アイボリー、ベージュを基本色にした寝室。ホテルの部屋のような雰囲気を演出しています。ベッドの両側に置かれたライトでお休み前の読書を楽しめそうです。

写真:ライオンズ嵯峨天龍寺若宮 東の邸・西の邸 モデルルーム(分譲済み)

同じくアイボリーとベージュを基本のカラーにした寝室。落ち着いた雰囲気でゆっくりと休むことができそうですね。

窓際からベッドを離した配置です。ベッドメイキングや掃除がしやすくなるだけでなく、窓から入る暑さや寒さの影響がやわらぐので、ぐっすりと眠ることができそうです。

窓際に観葉植物が置かれたさわやかな雰囲気の寝室。寝る前に見るグリーンは癒しを、目覚めのグリーンは一日の活力を与えてくれそうです。

濃い茶色をベースとしたラグジュアリーで落ち着いた雰囲気の寝室です。間接照明が柔らかい光の変化をつくりだし部屋に奥行きを生み出しています。寝る前のプライベートな時間をゆっくりと楽しめそうですね。

いかがでしたか?モデルルームの寝室プランを見ていると眠りの環境を見直してみたいという気持ちが高まりますね。寝室が変われば眠りも変わり、眠りが変われば仕事や暮らしも変わるかもしれません。コラムを参考にしながら、ぜひ理想的な寝室を作り上げてみてください。

 

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