キッチンについておたずねすると「収納スペースが少ない」という悩みをお持ちの方が多いようです。I型やL型などキッチンの形状にもよりますが、最近のシステムキッチンでは収納場所も増えてきています。でも、スペースを上手に使いこなすのはなかなか難しいですよね。

キッチンという場所は、1日に何度も火や水、そして油を使うという家の中でも特殊なスペースです。しかも、食器類に始まって、鍋類、調味料、食材など様々な物をまとめて収納しなければなりません。清潔であることはもちろんですが、整理整頓を心がけていないと、せっかくのお料理を楽しむことさえできなくなってしまいます。ここでは、次のような3つのステップでキッチンをいきいきと使える収納法を紹介していきたいと思います。

  1. 分類することでいる物いらない物をハッキリさせる
  2. どこに置けば一番効率がいいかを考える
  3. 見せることを意識することで新しい空間を生み出す

物を分類して必要な物だけを残しましょう!

「減量」しましょう!あなたのキッチン

第一のステップは物を捨てることです。キッチンには思いがけないほど多くの「いらない物」がそのままになっています。景品等でもらったスプーン、ついついフリーマーケットで買ってしまったお皿、あなたのキッチンにもありませんか?では、下記の方法で一気に「減量」しましょう。

■一度、キッチンにある物を全部取り出してみる 
 ↓ 
■何をどれぐらい持っているか物をチェックする 
 ↓ 
■毎日使う物、時々使う物、ほとんど使わない物に分類 
 ↓ 
■重複している物や他で代用可能な物は捨てる 
 ↓ 
■ほとんど使わない物は、これから使う可能性がある物だけを残す 

キッチンが整理整頓しづらいのは、アイテムの数が多すぎて収納場所が足りなくなっているからです。ここで迷っていてはキッチンはいつまでたっても今までのままです。思い切って断捨離しましょう。「あ、そのお皿!」フリーマーケットを活用すれば高く売れるかもしれませんよ。

適材適所の収納を考えることが大事です

使用頻度と動線を考えて収納場所を決めましょう

さて、ある程度物が少なくなったらあとは収納場所を決めます。ここで大切になるのが「使用頻度」と「動線」です。この2つを一緒に考えることが大切なのです。

動線というのは、あなたがお料理の準備をする時、調理中、そして後片付けの時にキッチンで「どう動いているか」、その道すじのことです。1度、この動線を意識してキッチンに立ってみてください。あっちに行ったり、また戻ったり、動きにムダはないでしょうか?もし、そういうムダを感じたとしたら、物の置き場所に問題があるのかもしれません。

水回りの物はシンクの近くに、火関連の物はコンロの近くに

適材適所の収納の基本は「水回りの物はシンクの近く」「火関連の物はコンロの近く」といういたって当たり前のことです。シンクの下にはボウルやザルなどよく使うものを、コンロ下にはフライパンやお鍋、コンロの近くには調味料などを置けばスムーズに使えます。でも、この基本、意外と守られていないのです。お宅のキッチンはいかがですか?ちょっとチェックしてみましょう。

あとはよく使う物とそれほど使わない物の置き方を工夫しましょう。使用頻度が高い物はすぐに手が届く場所に、使用頻度が低い物は上の方の戸棚や奥の方に、が原則です。

使ったら必ず同じ場所に戻しましょう

適材適所の収納がきちんとできても、使った後で収納場所に戻っていなければ結局は同じことですね。大切なのは「いつも同じ場所に置くこと」と「使ったら必ず同じ場所に戻すこと」、この2点を意識するだけでもあなたのキッチン収納はワンランクアップするはずです。

「魅せる収納」で空間を生み出しましょう!

見せることで新しいスペースが生まれます

最近のキッチンはオープンなタイプが増えてきています。そのために自然とお客様の目に触れることも多くなり「魅せる化」が進んでいます。「魅せる」を意識すれば、収納も変わるのです。頻繁に使用する食器は、カウンターなどに置き、お客様用のコーヒーカップはガラスで中が見える食器棚に置いてみましょう。その分、引き出しに新しいスペースが生まれます。また、常に人の目に触れていることを意識するだけで、清潔さや美しさを保ちやすいという利点もあります。では、具体的にはどうすればいいのでしょう?例を出しながら説明してみましょう。

  • 容器を変える、と空気が変わる
    調味料などももちろんですが、例えば、ひじきや昆布、大豆などの豆類、さらにはアーモンドやナッツ、ドライフルーツなどを同じ透明の容器に入れてカウンターなどに置いてみましょう。それだけで、キッチンの空気が大きく変わります。容器は100円均一のショップなどにもおしゃれな物がたくさんありますよ。

  • 外国製の鍋やデザイン家電はしっかり見せる
    欧州生まれのカラフルな鋳物ホーロー鍋などは見せる収納としてダイニングから見える棚に置いたり、トースター、ケトル、ブレンダーなど最近流行のデザイン家電もしまわずにカウンターなどに置くことでキッチンをモダンに演出することができます。どれも形が不定形でシンク下などの収納スペースには収まりにくく、場所を取ってしまうので、こうした置き方がいいですよね。

  • 吊るす収納には有孔ボードを
    よく使われるワイヤーネットよりもおすすめしたいのが等間隔でたくさんの穴が空いている有孔ボード(ペグボード)です。フックや木の棒を穴に差し込むことでキッチングッズやレシピなどを吊るして収納することができます。グリーンなどを吊るすことも出来るので、ボードがある空間自体がスマートになります。吊るす収納は見た目も楽しいものですが、コンロ周りに鍋など重たいものを吊るすのは危険なので注意しましょう。

  • ファイルケースでスッキリとした統一感を
    いろいろなサイズが揃っているファイルケースは、棚などのスペースをムダなく使うことができるのでとても便利です。スッキリとした統一感も生まれ、買い置きのレトルト食品などを種類別に収納するなど用途もいろいろあります。

  • よく使うお皿は立て置きで取りやすく
    日常的に使うお皿はある程度限られていますね。重ねて置くよりも立て置きにしてサッと取り出せるようにしましょう。ディッシュスタンドはもちろんですが、ファイルボックスなどに収納してみるのもいいのではないでしょうか?

  • 引き出しは細かく仕切ってカトラリーを整理して収納
    最後に引き出しの中ですが、ケースやかごなどを活用して中の物がずれないようにするのが収納の基本です。スプーン、フォーク、ナイフなどカトラリーは種類ごとに整理して収納するとよいですよ。取り出すときにごちゃごちゃならずにすみますね。

明るい春の日差しがキッチンに差し込んでくると、いろいろなことが気になりだしますね。活動的になる春は整理整頓にはベストの季節。ご紹介したヒントを参考にぜひキッチンの収納プランを立ててみてください。