あなたが住みたいと思う街はどこですか。
住みたい街のランキングはいろいろなところで調査されていますが、あなたの住みたい街は本当に住みやすい街なのでしょうか。

世の中に公開されている情報をチェックすると、住みたい街の真の姿が見えてくることがあります。
通勤がラクな街に住みたい、週末に趣味を楽しめる街に住みたい、子供が安全に通学できる街がいい、など“住んでよかった”と思える街かどうかは公開されているデータが参考になるかもしれませんね。

公開されているデータで“街の姿”が見えてくる!?

データを使ってランキングが作られている

街を評価する指標として、毎年、東洋経済新報社が全国の都市を対象に公表している「住みよさランキング」がよく知られています。同ランキングは813都市が対象。「住民基本台帳人口要覧」「商業統計」「住宅・土地統計調査」などの公的統計をもとに、それぞれの市が持つ“都市力”を、「安心度」「利便度」「快適度」「富裕度」「住居水準充実度」の5つの観点に分類して都市を評価したものです。(*1) 

2016年に発表されたランキングでは、総合評価1位は千葉県印西市、2位が愛知県長久手市、3位が富山県砺波市となっています。 

東洋経済オンラインよると、1位の千葉県印西市は、"「「利便度」の3位をはじめ、「快適度」15位、「富裕度」60位、「住居水準充実度」176位と5部門中4部門の評価が相対的に高く、総合トップの座を堅持している」"とする一方で、「安心度」は641位と評価が低くなっています。(*2) 

このように全ての項目において高評価ではなくても、住みやすさにつながるのですね。
住みたい街が自分に合った住みやすい街かどうかを調べる時は、自分が住みたい街に求めるポイントや気になる項目などをデータから調べてみてはどうでしょうか。

他にもこんなデータから街の特長が見えてくる!?

「住みよさランキング」のような公開されている情報を自分なりに活用して、街の特徴を調べることができるかもしれません。 

例えば、図書館数や蔵書数を見ることで何が分かるでしょうか。図書館ではインターネットには載っていないような資料や本の閲覧はもちろん、映画のDVDの視聴や、子供向けの読み聞かせイベントへの参加もできます。図書館数が多い街や蔵書数が多い図書館がある街は、様々な文化活動に力を入れている街と言えるかもしれませんね。 

地方公共団体の財政力を示す指標である「財政力指数」を見ると何が分かるでしょう。街の財政的な安定度が分かることはもちろん、「財政力指数」が高いほど公共サービスを充実させる財源に余裕のある市区町村と考えることもできますね。 

ちなみに、全国1位は愛知県飛島村(平成27年度:総務省公表データより)です。飛島村は人口4,618人(平成28年12月1日現在)と小さな村ですが、名古屋港の一角にあることから多くの大企業の事業所があり、そこからの税収入があるようです。そのため、医療費が18歳まで無料、チャイルドシート購入の補助金、中学2年生を対象としたアメリカへの5泊7日の研修旅行などがあり、また公共サービスが非常に充実している村として知られています。 

市町村別の「ゴミのリサイクル率」も環境省の廃棄物処理技術情報というサイトに公表されています。 

リサイクル率が高いということは、ゴミ問題への意識が高い方が多く住んでいるということなので、環境問題の関心が高い人にとっては住みやすい街と言えるかもしれませんね。

実際にデータを見る際のポイントは!?

さて、住みたい街が本当に自分に合った街かどうかを調べる時は、自分が街に求めるポイント、例えば、通勤に便利な街に住みたい、子育てしやすい街に住みたい、住んでいて安心な街がいい、などを考えることが大切です。

通勤に便利な街に住みたいなら?

通勤の便利さを調べるには、路線図を見るのが一般的ですね。勤務先がある駅にどれくらいで行けるのかをチェックして便利さをはかると思います。その他に、国土交通省で公表しているデータでは、通勤時間帯の鉄道の混雑率がわかるので通勤の快適度を調べるのに参考になりそうですね。
【国土交通省の鉄道関係統計データより】
http://www.mlit.go.jp/statistics/details/tetsudo_list.html

子育てしやすい街に住みたいなら?

子育てのしやすさを街に求める場合は「保育施設数」「待機児童数」が参考になるデータでしょう。他にも「公園数」や「公園面積」も公表されているので子育て世代が街選びをするときに参考になるかもしれません。
東京都なら自治体別に保育サービスの状況をチェックできます。例えば、葛飾区の待機児童数が前年から最も減少していることや、千代田区の待機児童数が0人ということなどがわかります。
【東京都 報道発表資料:都内の保育サービスの状況について】
http://www.metro.tokyo.jp/INET/OSHIRASE/2016/07/20q7j500.htm

また、他にも東京都では警視庁が市町村ごとの「犯罪情報マップ」を公表しています。
【警視庁 犯罪情報マップ】
http://www2.wagmap.jp/jouhomap/Portal

このように、データを見ることで街選びに役立つ様々なことが分かります。実際に街に行かずとも短時間で広範囲を調べることができるので、まだ住みたい街を具体的に絞りこめていない方にもおすすめです。今回ご紹介した以外にも多くの役立つデータがインターネット上に公開されているので、データを活用して街を探してみてはいかかでしょうか。
データを読み解くことで、住みたい街がどんな街なのかが見えてくることもあるかもしれません。

*1 出典元:東洋経済新報社 住みよさランキング2016 プレスリリース
http://corp.toyokeizai.net/news/wp-content/uploads/sites/5/2016/06/409a297cbea1c02741c1b177dd1305f6.pdf
*2 引用元:東洋経済ONLINE 最新!「住みよさランキング2016」トップ50
http://toyokeizai.net/articles/-/122614